もしも、過去を完全に忘れ去っているならこんな場所に来るはずがない。
ベイビーがこの店に来るのは、未だに亡き母の姿を追い求めているからです。そんな彼の姿は孤独です。
ベイビーがそうした過去を背負う人間だと知っていたからこそ、惹かれ合った自分が彼を見捨てるわけにはいかない。
デボラがそう考えて、ベイビーの仮出所を待ち続けたと推測できます。
夢を叶えるため
徐々に惹かれ合う中で、二人はいつか西海岸に行こうと語り合いました。これは、二人にとって共通の夢です。
それまで、育ての親のために生きてきたベイビー。それは生活のための犯罪に手を染める日々。
そんな中で、ベイビー自身の夢があったとは考え辛い。しかし、デボラとの出会いによってそれができた。
長い刑務所での生活をベイビーが絶えたのは、この夢のためと考えられます。
そしてデボラもまたベイビーへの愛のため、そして二人の夢を叶えるために仮出所を待ち続けたのです。
ドクという男
ベイビー達の大ボス・ドク。巨悪ともいうべきドクはどういった人物だったでしょうか。
ベイビーを裏切り利用するドク
ドクに借金を返済すれば自由になれることを信じていたベイビー。
ドク自身もそうベイビーに言い聞かせていましたが、実際は返済後もベイビーを手放さず犯罪に加担させました。
また、一度手を組んだ人間とは次からは仕事をしないというドクは基本的に人間を信じていないと推測できます。
ベイビーにとっては、まさに耳鳴りのような存在です。
ドクの過去に見えること
しかし、映画のラスト付近でベイビーがデボラと逃げようとしいている中でドクにも好きな人が昔いたことが語られます。
ドクの過去らしきものが伺えるのはここだけですが、そうしたことを語るあたりドクにもまだ人間性があることが推測できます。
こうした人間性が、ドクが殺されることに関係してきます。
ドクが殺された理由
一度仕事をした人間とは、次からは手を組まないドクが唯一側に置き続けたのがベイビー。
元々、素朴な優しさを持ったベイビーは悪党であるドクの身近にいないタイプの人間。
それ故に、長い時間を過ごす中で気にかけている部分もあったと推測できます。
映画にはドクの甥っ子も登場しますが、特に不仲である様子がないので恐らくドクは可愛がっていると思われる。