彼女はタカヤの想いをのせて演奏しているように観えました。
人々を元気にする為
空港には疲れた顔の人々が飛行機の出発を待っています。
彼女はそんな人々に笑顔になって欲しかったのかもしれません。
心を潤す音楽を彼女はタカヤから受け取っていたのです。
自分の音楽が本当に人々を幸せに出来るか、それを試したかったという気持ちもあったことでしょう。
タカヤとの目指した音楽を思い出したから
プロとなり有名になった彼女でしたが、少年の素直な音に初心を思い出したのでしょう。
何の為に音楽をやっていたのか、彼女はタカヤとの日々を思い出したのかもしれません。
世界へ感動を伝えたい、その一心で空港でチェロを弾いたのではないでしょうか。
エピソードの共通点
エピソードの共通点は、エピローグに集結されています。
皆に奇跡の青い蝶が見えていたこと、エンジェルサインの曲が聴こえたことが最大の共通点です。
そしてそれは愛する人から大切な想いを受け取った人たち、という共通点に繋がります。
いいかえれば、本当の「愛」を知っている人たちの物語なのです。
そして彼らは大切な人を失った人たちでもあります。
この青い蝶は奇跡を体験した人にしか見えていません。
本作品の登場人物の他にも大切な人を無くした人たちがいたのではないでしょうか、そして彼らも奇跡を体験したのです。
最後にアイカの周りに残った人たちからは、寂しさと幸せをかみしめた深い人生を感じます。
北条司が総監督
本作品は「サイレント・マンガ・オーディション」で応募された作品から選び抜かれた物語です。
総監督はシティハンターやエンジェルハートで有名な北条司が担当しています。
この映画は、彼が監督を務めるということでも大きな話題となりました。
セリフが一切ない独特の作品ですが、別れをテーマとして泣ける映画だとファンからは高い評価を得ています。
想いを受け取ることの温かさを感じる映画
全ての物語に死が描かれ寂しいストーリーが展開していますが、その中に温かい愛を感じる幸せな映画でもあります。
人の想いがどういうものなのか、恋人や家族そしてペットへの想いを綴っていました。
いつかは訪れる死というものを、どのように受け止めるべきなのか。
残された人に何を伝えるべきなのか、様々なことを考えさせられる映画です。
セリフがないからこそ余計に「心」が伝わってくる作品といえるでしょう。