その真摯な姿こそが何よりも彼らの素敵な所であり、全員が同じ方向を見て前のめりに動いていくのです。
7人全員での食事シーンは等身大の仲の良さを見せますが、決して単なる仲の良い友達ごっこではありません。
1つの理念を掲げ、それに向かって同じ思いをもって進み続ける仕事仲間としての「絆」があります。
その「絆」が公私共にしっかり画面の中に収められていたのが本作の白眉ではないでしょうか。
BTS7人の行動・ラッパー組
BTS7人を大まかに分けると3人のラッパーと4人のボーカルに綺麗に分類されています。
まずはラッパー組であるRM・SUGA・J-HOPEについて見ていきましょう。
最強最高のリーダーRM(アールエム)
リーダーにしてメインラッパーのRMはファンの間では「破壊神」で親しまれている秀才タイプです。
語学も堪能で頭脳明晰な完璧超人タイプの人間で、ともすれば共感しにくいスーパースターに見えます。
しかし、そんな彼が本作において悩んでいたのは上記したグループとファンの距離感でした。
“Love Yourself”をテーマに、自分を愛することがファンを愛することにもなるとお考えのRM。
ファンに寄り添いながらグループ全体を俯瞰し、常に指針を示し続けてきたのは彼です。
BTSがどうあるべきかを考え、それをラップリリックやリーダーシップとして示しています。
そんな彼の姿はとても人間味に溢れており、表に描かれない苦悩と葛藤が描かれていました。
グループの「色」を司るSUGA(シュガ)
リードラッパーという肩書きですがの彼ですが、本業はどちらかといえば作詞作曲にあります。
RMがグループ全体の指針を示す存在なら、SUGAはグループ全体の「色」を作り上げる存在です。
本作においては元来目立っていた作詞作曲にホテルで取り組む姿が象徴的に描かれていました。
そこには決して普段見せることのない「産みの苦しみ」との格闘が描かれていたのです。
また、「海外のアーティストに会いたい」という言葉にプロ意識の高さが窺えます。
SUGAは常に外側に目を向け一流の作詞作曲のセンスをしっかり咀嚼・吸収しているのでしょう。
その飽くなき情熱があるからこそBTSが非常にクオリティの高い楽曲を手がけられているのです。
BTSの薬箱・J-HOPE(ジェイホープ)
SUGAと並ぶリードラッパーの彼ですが、本作では彼こそが1番「裏」の姿が見えた人物かもしれません。
表に見えるグループ全体の彼の役割は天真爛漫で底抜けに明るいムードメーカーです。
そんな彼が本作で見せていたのはメンバーに寄り添って健康面の気配りをするところでした。
ステージを見ながら、22公演を無事に乗り切っていく為にどういうペース配分で行くのか?
100%のパフォーマンスをするには健康が命であり、どれだけ注意してもし過ぎることはありません。
表に裏にと細かい所でグループへの気遣い・気配りを欠かさない彼はBTSの薬箱でありましょう。
彼が裏でメンバーを支えてくれるからこそ、メンバー達はパフォーマンスに集中できます。
BTS7人の行動・ボーカル組
こうしてみると、まずラッパー組からして凄く人間の出来た人達だと分かっていただけるでしょう。
次は残りのボーカル組JIN・JIMIN・V・JUNG KOOKをじっくり掘り下げていきます。
グループとファンのパイプ役・JIN(ジン)
グループの中で「食」への追求が強く裏表が全くなかったのがJINでした。
他のメンバーは裏まで迫ると表とは違う姿を見せますが、彼は表裏の全くない人です。
韓国と勝手が違い、気軽にコンビニに行けないと嘆くのはメンバーだと彼くらいでしょう。
とても子供っぽいあどけなさが残りますが、同時に凄く親しみやすい人として描かれています。
決して緊張感がないわけではなく、ふとした瞬間にメンバーも彼を見て気が緩むのです。
どんな時もファンや子供に自然に寄り添い、グループとファンを自然に繋げるパイプ役ではないでしょうか。
JINが居てくれるからこそ、BTSが遠くも近くもなりすぎない不即不離のグループとなりました。