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映画『BRING THE SOUL: THE MOVIE』はBTS(防弾少年団)のヨーロッパツアーのドキュメンタリー映画です。
監督はパク・ジュンス、BTS7人の2018年のWORLD TOUR『LOVE YOURSELF』のステージ裏を描いています。
ヨーロッパの華やかなステージに立つメンバー達の素顔に切り込んだ良質の作品となりました。
2019年に世界各地で一斉公開され、瞬く間にBTSの活躍と知名度を上げることに貢献しています。
本来であればライブDVDの特典で済ませられる企画が1本の映画になったことは歴史的な事件でしょう。
興行収入も破格の売上を記録したことが本作の凄さを何よりも物語っています。
本稿ではヨーロッパツアーに向けたBTS7人の行動をじっくり掘り下げていきましょう。
果たして、舞台裏で描かれた若き7人の物語にはどのようなドラマが隠されているのでしょうか?
BTS(防弾少年団)の軌跡
本題を考察する上で、K-POPの期待の新星として生まれたBTS(防弾少年団)への理解が欠かせません。
今や世界を股にかけるアーティストの中でその名を知らない者は居ないのではないでしょうか。
公式YouTubeチャンネルは3000万人超の登録者数が居る程圧倒的な世界人気を獲得している凄まじいグループです。
しかし、彼らの凄い所はYouTubeチャンネルではなくあくまでも「舞台」で勝負している所にあります。
いい意味で流行を追わず、自分たちが求める音楽の形態を追求していくのが彼らの魅力でしょう。
しかし、順風満帆に来たわけでもなく、諸事情でテレビ番組への出演を断られるなど挫折・失敗が数々ありました。
そんな彼らが世界へ羽ばたく一大転機を映画にした本作の魅力を是非本題に沿ってじっくり考察していきます。
BTS7人の行動・グループ編
本作の見所は何といっても7人のスーパースターの人間性にあるといっても過言ではありません。
世界に誇れるトップスターとなった彼らの魅力は単なるアイドルとしてのスター性だけではないのです。
ここでは本編に焦点を当てつつ、まずグループ全体としてのBTSが何かを考察していきます。
韓国実写版『七人の侍』
やや大袈裟にいえば、グループとしてのBTSは韓国実写版『七人の侍』ではないでしょうか。
全く個性の違う7人のスターが1つの壮大な夢に向かって全身全霊を賭けて表現するのです。
しかも1人1人が己の宿命とドラマを背負い、日々自分と向き合いプレッシャーと戦い勝利します。
そんな彼らの生き様は正にあの伝説の侍達が現代に生ける神話として出てきたかのようです。
ヨーロッパのみならずアジアやアメリカ等々世界中を相手に彼らは日々戦い続けているでしょう。
見かけは格好良い現代的ながらも中身は物凄く強靱な意志と野望の塊である美男子達。
本作はドキュメンタリー映画を通してそんなBTSの本質を浮き彫りにしてみせています。
一期一会の精神
2つ目に、グループ全体の理念として「一期一会の精神」が根底にあることが挙げられます。
22公演という長丁場の厳しい公演数ではその過程において様々なアクシデントが付き物です。
後述しますが、何名かは体調不良などでステージに立つことすら困難な場面もあります。
しかし、観に来てくださるお客様・ファンの方々にとっては全く関係のないことです。
彼らにとってはそのライブが1回きりになるかもしれない最初で最後のチャンスとなります。
だからこそ、BTSは全ての公演で手抜きをせず初日の心がけで緊張感をもって挑むのです。
1つ1つの公演をしっかりものにしていこうという姿こそBTSのあり方ではないでしょうか。
ストイックで真っ直ぐな努力家
そして何よりも7人全員に共通しているのがストイックで真っ直ぐな努力家揃いということです。
体調不良を免罪符にせず、公演が成功したとしても常に次を考え続け努力していきます。
特にリーダーのRMなどはその姿が見て取れる所で、常にグループとファンのあり方を考えているのです。
彼だけではなく、7人全員が「BTSとは何か?」を考え続け、満足することなく次を追求していきます。