ゼンの中には自分が愛した女性の血が流れており、ジンが自分に残した宝だと気がついたのでしょう。
ジンはゼンの中に生きている、そう感じていたのかもしれません。
娘に寄り添いながらも、心ではジンを想っていたのです。
これからも、娘の中にジンを感じながら共に歩んでいくことでしょう。
そして、かけがえのない娘という存在を残してくれたジンへの感謝の気持ちも入り混じっていたのではないでしょうか。
バッジを返した真意
マサシは劇中バッジを返していますが、それは何を思っての行動だったのでしょうか。
組に迷惑をかけない為
おそらく、今後自分が起こすであろう不祥事が組の迷惑にならないように離脱したのでしょう。
一度は和解したナンバー8との関係が、また壊れてしまうことを危惧した結果といえます。
手を出してはいけない敵の女に手を出し、しかも再びそれが火種となってしまったのです。
ナンバー8との争いに関して、全て個人的な問題として処理するつもりだったのではないでしょうか。
また、ジンと愛し合ったことに関して後ろめたい気持ちもあったのかもしれません。
バッジ返却は敵を愛した裏切り者であるという戒めの意味も込められています。
死ぬ覚悟
ナンバー8が本気で怒っていることを知り、生きて戻れないかもしれないと腹をくくったとも考察出来ます。
組に入ったまま殺されたら、報復として再び両者間で争いが起きてしまうでしょう。
自分がタイへ渡り戻ってこれる可能性は低く、その為バッジを返却したのです。
マサシはこのとき、戻らぬ覚悟を決めていたといえます。
タイで生きていく覚悟
マサシはナンバー8との争いに勝利し全てを手に入れても、日本へ戻ってくる気はなかったはずです。
ジンやゼンと共に、タイで新たな人生を送るつもりだったのではないでしょうか。
ヤクザという人生に終止符をうち、父親としての再スタートを決意していたはずです。
バッジの返却をしたマサシは、未来への危惧や覚悟が入り混じった心境だったことでしょう。
実際の足抜け事情
作品の中でマサシはすんなり足抜けをしてタイへ向かっていましたが、実際はそう簡単ではないようです。
組織内部の情報を知る者なので、足抜けが困難なのは当然といえば当然の話です。
バッジを返すのは、相当の決意と覚悟がいるということです。