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五十嵐貴久原作の小説「パパと娘の7日間」。日本では2007年にテレビドラマ化されました。
ある日、とある出来事がきっかけで体が入れ替わってしまったサラリーマンの父と女子高生の娘。
キャストは、まだ初々しい新垣結衣が「中身が中年」の女子高生を。ダンディなイメージが強い舘ひろしが「中身が女子高生」の父親役を。
特に女子高生役の舘の奇怪な演技は話題を呼びました。
その原作を2017年に映画化したのが「パパと娘の7日間」の韓国版です。
主人公のドヨンには、女優の他にもモデルとしても活動するチョン・ソミン。
もう一人の主人公・サンテには「グエムル漢江の怪物」にも出演したユン・ジェムン。
不仲だった父娘。体の入れ替わりを通して悪化していた二人の関係が改善した理由は何か。
ドヨンの片思いの先輩・ユジンとのデートが上手くいった理由と、そのドヨンが父の職場に与えた影響と合わせて考察します。
父娘の抱える問題
作中で主人公の父娘はどんな問題を抱えていたのでしょうか。
父の抱える問題
ドヨンの父である「サンテ」。大手化粧品会社勤務ですが、実は窓際部署の勤務でした。
そのことを隠して、家庭内では威厳ある父の姿を見せようとするサンテ。
しかし、見栄を張ろうとするあまりそれが裏目に出て娘との関係がギクシャクしています。本当は娘のことが好きで仕方ないにも関わらずです。
そんなサンテの唯一の希望は出世。
それに強いこだわりを持つサンテですが、家庭にも職場にも居場所がないからこそ出世で自分を支えようとしている。
部下からも家族からも軽んじられ、そんな自分をどうにか良く見せようと虚勢を張る。そのため自分に余裕がありません。
これがサンテが抱える問題です。
娘の抱える問題
学校の勉強が得意でないにも関わらず、口うるさく勉強しろとばかり言ってくる父。
学校での楽しみは片思いの先輩のことだけというドヨン。常にイヤホンで音楽を聴く彼女。
まるで、その姿は世の中から心を閉ざしているようです。耳を塞ぐのはその比喩と考えられ、彼女もまた心に余裕がありません。
この父娘が共通して抱える問題は「心の余裕の無さ」でした。それが二人の溝を深めています。
お互いを知っていく二人
人格が入れ替わった二人は何を知っていったのでしょうか。
女子高生は意外と大変
女子高生となったサンテ。そこで知ったのは、女子高生も色々と大変だという現実でした。
特に、一見優秀だと思っていた同級生が実はそうではなかったという事実。