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テレビドラマで高視聴率を獲得した「HERO」。おなじみの検事仲間との連係プレイも堪能できる人気シリーズです。
この映画で城西支部検事の久利生公平は、本来捜査できない治外法権のネウストリア公国大使館に挑みます。
ここでは、久利生が捜査の傍らネウストリアとの文化交流を続ける理由や、捜査と異文化交流の関係を考察してみました。
この映画で吉田羊さんが、報知映画賞の女優賞を受賞、興行成績も良好でした。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/HERO
ネウストリア人との文化交流の意味
久利生公平は、交通事故の原因を調査する現場検証でネウストリア公国大使館にたどり着きます。
治外法権の大使館が相手で、捜査にいき詰まる久利生と大阪から上京した雨宮舞子。
状況を打開するために久利生が考えたのは、文化を通して国境をこえることでした。
久利生が考えた文化交流
食文化には国境がありません。日本にいながら各国の料理を味わうことができます。
久利生は、まずはネウストリアの食を知ることから始めようとします。
捜査に直接関係はありませんが、ネウストリア人との接点を求めたのです。
ネウストリア公国。映画では1423年に独立した歴史の浅い国の設定ですが、実際には存在しません。
歴史上では6世紀から10世紀ごろ、現在のフランス北西部をネウストリアと呼んでいたそうです。
食文化や言語、スポーツなどは、フランスの文化を基準にしてもよいでしょう。
雨宮は何を思っていたのか
雨宮は、最初から久利生に同調したのでしょうか。彼女が追っていたのは暴力団二碕会恐喝事件です。
重要参考人の三城紗江子が死亡した場所が、たまたまネウストリア大使館の近所だっただけ。
大使館の捜査は、雨宮にとってそれほど重要とは思えなかったのです。
久利生が文化交流を続ける理由
捜査の傍らでなおも交流を続けようとした理由を考察してみました。
自分の命も狙われたのに文化交流を通じて捜査を続けようとする久利生の心情にも言及します。
久利生は本心からネウストリア文化に興味を持った
久利生は好奇心旺盛。テレビの通販番組にはまるなど、新しいことに興味を持ち実行に移そうとする癖があるようです。
芯が強くブレない姿勢は、何があっても諦めないしぶとい性格をあらわしています。
文化交流も諦めていません。ペタンク競技の後大使館外交員に疑念を持たれ、不満をあらわにされても次の対戦を求めています。
久利生は、本心からネウストリア人の生活に寄り添おうとしたのではないでしょうか。
ネウストリア文化をもっと知りたいと思う久利生の真摯(しんし)な態度が、駐日大使との交流につながったのだと思われます。
命を狙われても諦めない久利生
久利生の異文化交流の考えは、何者かに命を狙われていることに気が付いていても変わりませんでした。
大使館のパーティに潜入したのも、諦めない久利生の気持ちのあらわれでしょう。