たまたま隣に引っ越ししてきたケアワーカーのジュリー。スタイルの良い美女でジョスランは一目で夢中。
彼女が自分の職業を明かしたため、それを利用して気を引くために嘘をつきました。
また、その時にたまたま母の遺品の車椅子に座っていたことも足に障がいがあると嘘をついた理由です。
最も、今回も本気の恋でなく気を伺って本当のことを打ち明けようと考える遊び気分のジョスランでした。
ジョスランはなぜ嘘をつくのか
軽薄男のジョスラン。彼は何故自分を偽る嘘をつくのでしょうか。
両親の離婚の影響
ジョスランの母の死をきっかけに、本作のストーリーは動き出します。
彼の両親は離婚していました。母親が苦労してジョスランと弟を育てました。
こうした家庭環境から推測できるのは、両親の離婚がジョスランに結婚や恋愛に良いイメージを持たせなかったということです。
作中では、父の顔の部分が切り取られた家族写真が登場します。家族が一つだった頃の想い出です。
ジョスランにはこの頃の幸せな家族の記憶がある。しかし、離婚によりそれが失われてしまった。
それが、彼に愛する者を失う怖さを植え付けたことは充分に考えられます。
臆病な心
そのように考えれば、軽薄で嘘ばかりつくジョスランの真の姿が見えてきます。
それは、失うくらいならば最初から持たない方がいいというある意味では割り切った、しかし孤独な男の姿です。
ジョスランが女性と長い付き合いよりも、短いスパンでの関係ばかり求めるのは幸せを失うことを恐れているから。
しかし、そんな彼にも人生を変える出会いがやってきました。
なぜフロランスに恋したのか
最初はジュリーに恋していたジョスラン。何故、姉のフロランスに恋したのでしょうか。
自分にはない強さ
フロランスは最初から障がいを持っていたわけではなく、事故により車椅子生活となった女性でした。
普通ならば絶望の淵に沈むような状況。しかし、ジョスランの前に現れる彼女はいつも明るく笑っています。
対して、地位も財産もありながらくだらない嘘で自分を偽る生活をするジョスラン。
比べて見れば、どれだけ裕福でもジョスランの器の小ささが浮き彫りになります。
自分にない強さを持った自立した女性。だからこそ、軽薄なジョスランは心を動かされ恋に落ちたのです。
フロランスの包容力
フロランスはとても包容力のある女性です。
その極めつけが、ジョスランが嘘をついていたことにとっくに気が付いていたことでしょう。