気が付きながらも、それさえ受け入れていたフロランス。
その心の広さは、自分の持っているものでどこか女性を下に見ていたジョスランの心を動かすものでした。
ジョスランは、はじめて嘘をつかずに心から自分を委ねられる委ねられる存在に出会ったのです。
嘘つきから来る恋とは
嘘からはじまったジョスランの恋。果たしてそれはどういったものだったのでしょうか。
新しい世界との出会い
フロランスとの出会いをきっかけに、ジョスランは新しい世界に足を踏み入れます。
それは障がいを持つ人の世界、あるいはそうした人々が参加するスポーツの世界です。
そうした人々との出会いを通し、彼らが障がいがあっても自分と同じ人間であることを知るジョスラン。
例えどんな問題を抱えていたとしても、自分を偽ることなく楽しく明るく生きることができる。
そのことをジョスランは嘘をきっかけに学ぶことになります。
結果的に、そのことが彼の恋を成熟させる結果につながりました。嘘がジョスランの世界を広げました。
人の気持ちを考えるジョスラン
また、嘘をつき続ける生活の中で悩んだことはジョスランに周囲のことを考えさせるきっかけともなりました。
秘書のマリーがどれだけ献身的に尽くしてきても、優しさの一つも見せなかったジョスラン。
しかし、本心を打ち明けたマリーにはじめてジョスランは優しさを見せます。
これは、女性をただの短い期間だけの関係と考えていた頃の彼からは考えられない変化です。
嘘から来る恋を経験し、それによってもたらされた成長。
嘘から来る恋とは、ジョスランを未来に進めさせ偽りない自分の姿で生きさせるためのものでした。
感動を押し売りしない映画
映画に限らず、どんなエンターテインメント作品でも障がいを描くことは難しいことです。
何故ならば、その要素があるだけで「感動の押し売り」などと見られてしまうこともあるから。
しかし本作は違います。障がいを持っているフロランスや他の人物もユーモアに溢れ、暗いイメージを微塵も感じさせません。
逆に思わずクスっと笑ってしまう描写も沢山ある映画。
だからこそ、本作は例え人間はどんな状況であっても自分の意志で人生を明るく生きれることが描かれています。
物理的な障がいのみでなく、今人生に悩みを抱えている方。
嘘で着飾ったジョスランが本当の自分として生きる姿を見て、元気をもらってみませんか。