自分と同じ境遇である頼子となら、ずっと一緒にいることが出来ると感じたのかもしれません。
私も一緒に手伝うから
引用:金メダル男/配給会社:ショウゲート
結婚後の上記のセリフを見ても、泉一の選択は正解だったといえます。
彼の諦めない心が実を結んだ
頼子と結婚出来たのは、泉一がくじけなかったからです。
かなりコメディ色が強く演出されていましたが、一等賞を取りたいという情熱と同じように頼子への情熱を燃やしています。
何度断られてもあきらめない、どんな困難にもあきらめなかった彼の根性が頼子との結婚に結びついたのではないでしょうか。
両親と同じ職に就いた意味
本映画の注目ポイントともいえるシーンは、泉一が両親と同じ職に就いた場面です。
様々な仕事を転々としていた泉一は、なぜデパートの販売員になったのでしょう。
親の生き方を参考にした
泉一は、無意識に親と同じ職業を選んだのではないでしょうか。
それは彼が愛されて育ったことを意味しています。
自分が幸せだったから両親のような子育てをしたい、と思ったのでしょう。
だからこそ、子供の為に仕事に就く場面で両親と同じ職業を選んだのです。
子供を育てることが出来る仕事
彼が就ける仕事は限定されていた、とも考察出来ます。
その中で子供を育てることが出来る職業となると、両親と同じデパートの販売員が頭に浮かんだのではないでしょうか。
泉一の人生は支離滅裂のようでいて、実は全てが繋がっているような気がします。
息子が金メダルをくれた理由
2011年に息子に貰った金メダルは、人生で最も貴重なメダルです。
息子はなぜ父親である泉一に金メダルを渡したのでしょう。
父親の姿を尊敬していた
幼い息子ですが、父親が奮闘している姿をいつも見ていたのではないでしょうか。
泉一は素直な人物なので、家族の間ではどんなこともオープンに話していたはずです。
父親が、自分の為に頑張っていたことを息子は知っていたのでしょう。
燃えつきてしまった父親ですが、息子にとっては一等賞の父親でした。
「がんばったで賞」は、人生で最も嬉しい金メダルだったはずです。
父親を励まそうとした
それまでの泉一は、どんなことにもへこたれず前向きで明るい父親だったのでしょう。
もしかしたら、息子に見せる初めての弱い姿だったのかもしれません。
父親の大好きな金メダルを渡したら元気になるかも知れない、そんな子供の思いやりが感じられるシーンでもあります。
本当の金メダルは家族からもらった
作品の中で金メダルを追い続ける泉一ですが「金メダル」とは一体何なのか、深く考えさせられます。
彼は東京オリンピックの年に生まれたから、金メダルに固執したのでしょうか。