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【マネーモンスター】はウォール街の株取引を巡る陰謀を暴いた緊迫感溢れるサスペンス映画です。
「自分の何が悪いのか」と開き直るキャンビーに金融界の闇が見て取れる作品でもあります。
千ドルのスーツを着るリーに14ドルしか稼げないカイルが噛みつくシーンはアメリカが直面する格差社会の問題を突きつけてもいるのです。
一方で修羅場を繰り広げるリーやカイルたちの動きを、パティたち番組スタッフは生放送番組に仕上げてしまいます。
カイルがやりたかったこと
顔をさらしてまでリーの生放送番組に乱入したカイルの真の目的は何だったのでしょうか。
投資した金を取り戻すためだけであれば、もっとスマートなやり方があったはずです。
また、単に怒りにまかせた報復ならばさっさとリーを撃てばよかったのではないでしょうか。
彼の行動から彼の真の目的を考察してみましょう。
覆面をしなかったカイル
カイルは覆面をしていませんでした。ということは後々自分がどうなってもいいと考えていたということになります。
彼は自分でも「結末はわかっている」と言っているではありませんか。カイルは最初から死ぬ覚悟をしていたのです。
彼は自分が戦おうとしている相手の強大さを理解していたのではないでしょうか。
死ぬことを覚悟してでないと戦えないとわかっていたから、覆面などという小細工をしなかったのです。
生放送に乱入したわけ
カイルは生放送の現場に乱入することを選びました。彼の目的を達成するためには生放送でなくてはならなかったのです。
彼は自分の訴えをTV放送を通じて多くの人たちに知らせたかったのではないでしょうか。
生放送でなければ如何様にも編集されてしまいます。
それでは姑息な手段で暴利を貪っているキャンビーやそれに乗じているリーを糾弾するというカイルの目的が果たせないのです。
リーに爆弾が偽物だと話したのは
会見場に向かう途中でカイルはなぜリーに爆弾が偽物だと知らせたのでしょうか。
スタジオにいた頃のカイルとリーの関係は、この時点で既に変化していたのです。
リーはカイルに「もう共犯だ」と言います。
株価暴落の原因がシステムのバグではない別の何かだと確信するカイルにリーは同意していたのです。
パティたちの情報からリーは諸悪の根源がキャンビーだと理解しつつありました。