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「ルイの9番目の人生」は2016年に公開された映画です。
イギリス人作家のリズ・ジェンセンの「ルイの九番目の命」を原作にしたスリラー映画。
しかし、その内容はスリラーだけに留まらず家族、SF、ファンタジーといった多様な内容を含むものでした。
幼い頃から何度も死にかけている少年・ルイ。崖から落ちて昏睡状態にあるルイの心情と、その周囲で事件解決に動く人々のドラマ。
主演は「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」で注目されたジェイミー・ドーナン。
「アメイジング・スパイダーマン2」や「複製された男」等に出演したサラ・ガドンが、ルイの母親ナタリーを演じました。
ルイの父親・ピーター役にはテレビドラマ「ブレイキング・バッド」でゴールデングローブ賞にノミネートされたアーロン・ポール。
監督はホラー映画「サランドラ」のリメイク映画「ヒルズ・ハブ・アイズ」を監督したアレクサンドル・アジャ。
映画のラストで昏睡状態から目が覚めたルイ。
この記事ではルイが目を覚ました理由と、事件を起こした犯人の動機。
ナタリーがルイを「天使」と呼んだ意味を考察します。
犯人の動機とは
父親のピーターを殺害し、ルイを崖から落とし昏睡状態にした犯人はナタリーでした。彼女の動機は何だったのでしょうか。
世間の同情を引くため
ナタリーが事件を起こしたのは、世間の同情を引くためです。
何故なら、何度も事故に遭う息子の母親であれば大変な苦悩を背負った母親だと世間から見られるからです。
悲劇のヒロインになる。それがナタリーの望みであり、ルイが経験してきた事故も全てナタリーの仕業でした。
一部の人間はナタリーの本性に気が付いていましたが、多くの男達がナタリーの魅力に取り込まれます。
男達を取り込むナタリー
ルイの担当医のパスカル、父親のピーター、ルイのセラピストだったペレーズ。彼らは皆ナタリーの魅力に取り込まれていました。
不幸と苦悩の人生を背負った美貌の女性。息子のことを何よりも愛する優しい母親。そのような姿に、取り込まれたのです。
ナタリーは、このように男達が自分を愛することに喜びを感じていました。
ルイとピーターを転落させて事件を起こしたのも、同情を引き男達から気がけられる存在になりたかった。
この男への執着も事件の動機です。
犯人に気づいていた人々
ナタリーにすっかり虜になる男達。しかし、映画に登場する女性達は事件の犯人に薄々感づいていました。
ダルトン刑事
ルイの事件を担当する女刑事のダルトン。彼女は、犯人がナタリーであると感づいていました。
ナタリーのことを心配するパスカルに、ダルトンはナタリーと接近することを止めるように警告。