出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01DITV62K/cinema-notes-22
「マネー・ショート華麗なる大逆転」は2015年にアメリカで公開されたドラマ映画です。
2007年末から2009年ごろに起こったサブプライム住宅ローン危機。それに伴い起こったリーマンショック。
金融市場が揺れ、世界中に経済危機が起こったこの出来事の裏で儲けた男たちの姿が描かれています。
作品評価が高く、アカデミー賞で脚色賞を受賞しました。
出演は「ダークナイト」等でバットマンであるブルース・ウェインを演じたクリスチャン・ベール。
「セブン」等に出演する世界的俳優ブラッド・ピットも出演。重厚且つ豪華なキャストが作品を固めています。
監督はアベンジャーズにも登場するヒーロー・アントマンの映画で、脚本を手掛けたアダム・マッケイ。
金融という取っつき難いテーマを扱った本作にコミカルな演出を施し、難しい知識がなくても楽しめるエンターテインメントに仕上げています。
映画の中で、ブラッド・ピット演じるベンが若い投資家2人を叱責します。ベンが何故このような行動をしたのか。
銀行に激しい憤りを感じるヘッジファンドマネジャーのマークが、破綻するまでCDSを持ち続けた理由と合わせて考察します。
ベンが2人の若者を叱責した理由
儲けが出たにも関わらず、ベンは何故2人の若者を叱責したのでしょうか。
道徳心から叱った
ベンはウォール街の仕事に嫌気がさし、一線を退いていました。
それでも若者達に力を貸しましたが、彼らの姿はウォール街で働いていたかっての自分の姿に重なったのでしょう。
確かに自分は儲けることができるものの、その裏では苦しむ人々がいる。
ベンが仕事から退いたのは、儲けと人々の苦しみの狭間で起こる葛藤に耐えられなくなったからだと推測できます。
そのような経験をしてきたからこそ、人としての道徳心から若者を叱った。
同時に、そのようなことを理解していないと金融の仕事をしていくことはできないという忠告の意味もあったと考えられます。
やるせない気持ちから叱った
ベンには、やるせない気持ちがあったと予想できます。誰かが儲ける裏には損をする誰かがいる。
しかし、自分は儲けたい。それは、人間としては当然の感情です。
投資の仕事とは、そのようなやるせなさを抱えた仕事です。若者達にはそれがわかりません。
それに気づかず、人々を金儲けの道具としか見ない人間達をベンは見てきたのでしょう。