刃衛の目的は人斬り時代の剣心と戦うことですが、薫は剣心には絶対に人斬りをして欲しくありませんでした。

その強い思いが気合となって、刃衛の暗示を解いたのです。

戦場を生き抜いてきたレベルの人間でしか本来は解けないことを考えると、薫の思いの強さがわかりますね。

剣心と出会い、剣心の苦しみと優しさに触れた薫は剣心が本当は人斬りができる人間ではないことを感じていました。

自分のために剣心が刃衛を切ってしまったら、これまで剣心が流浪人として生きてきた日々が無駄になってしまいます。

それだけは絶対に剣心にさせるわけにはいきませんでした。

剣心との戦いに敗北した刃衛ですが、その前に既に薫に敗北していたといえるでしょう。

斎藤一の立場

新選組隊士として剣心と戦った斎藤一はなぜ明治の時代に警官になったのでしょうか。

そのことを考察する前に、この時期の斎藤の立場を振り返ってみます。

新選組隊士だった斎藤

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斎藤一は新選組隊士でした。つまり以前は明治政府と敵対していた立場になります。

戊辰戦争により新選組は決定的なダメージを受け、多くの隊士が死亡しました。

この事実から斎藤にとって、明治を治める新政府は憎むべき相手だったとも考えられます。

しかしながらどういった形であれ、新しい時代に生き残った斎藤はその中で生きていかねばなりませんでした。

時代の変化

新選組 2245日の軌跡 (新潮文庫)

明治政府は憎むべき相手とはいえ時代は確実に変化していました。

剣が力を持っていた時代は終わり、それまでにはなかった秩序が日本を治める時代になります。

本作で登場した武田観柳の手下は、そんな時代の流れに付いていくことのできない人間たちでした。

見方を変えると彼らは、斎藤が辿ったかもしれない可能性の一つともいえますね。

いかに元新選組の隊士といえど、急激に変化していく時代の流れに逆らうことはできませんでした。

斎藤はなぜ警官になったのか

明治政府の敵対者だったはずの斎藤はなぜ警官になったのでしょうか。

剣の実力を買われた

模造刀 日本刀 木剣

まず何といっても、斎藤の剣の実力が買われたことが大きいでしょう。

新時代に入ったとはいえ世の中はまだまだ混乱の中にあります。

神谷道場を狙う武田観柳は武器の売買をする武器商人でもありました。おまけに部下まで持ち、その姿はさながら私設軍隊ですね。

そうした人間たちが暗躍する中で、政府は軍備の増強を迫られたと考えられます。