純を見捨て、樹海に放置したウシジマくんの心情はどうだったのでしょうか。
ウシジマくんだって人間ですから、少しは迷いや後悔の気持ちがあったかも知れません。
ウシジマくんには性懲りもなく金に踊らされ続け、周囲の人間をも不幸にしていく純の未来が見えていたのでしょうか。
未來の未来
未來は危うかったのです。彼女はもう一歩で自分自身が自分を許せない状態に陥った可能性がありました。
未來は何に気づいたのでしょうか。彼女の足を母親と弟が住む団地に向けさせたものは一体何だったのかについても見てみましょう。
未來は何に気づいたのか
ウシジマくんは出会い系カフェで稼ぎ出す未來を心配していました。
体は売らなくても徐々に未來のこころが削られていくことを彼はわかっていたのです。
当初未來はウシジマくんが抱いていた懸念を全く意に介していませんでした。
チョットのことで簡単に金が稼げると勘違いしていたのです。
彼女は重要なものを見落としていました。彼女がわずかの金の代わりに差し出していたのは彼女のこころだったのです。
出会い系カフェでの仕事を続ける度に未來のこころは徐々に削られ、自分が自分を嫌いになっていきました。
彼女は同級生だったフユミが荒んでいく姿に自分自身の未来を見たに違いありません。
彼女は失いつつある大切なものに気づいたのです。
未來が体を売らなかったわけ
未來が出会い系カフェで仕事をしながらも体を売らなかったのは自分自身への言い訳だったのでしょうか。
そこまでは堕ちていないということを自分に言い聞かせたかったのかも知れません。
もちろん母親の影響もあったことでしょう。
パチンコに狂った母が金欲しさに体を売っていることに彼女は気づいていました。
その母親は何と借金の返済金欲しさの余り、娘に3Pをしようと持ちかけたのです。
未來が立ち止まる切っ掛けとなったのは、自分がとうとう体を売ろうと決心した相手が母の客だった男だと気づいたことでした。
もし相手がその男でなかったなら未來はフユミの道を歩んでいた可能性があったのです。
団地に帰った未來の真意は
まっとうなレストランで働くようになった未來は金を稼ぐ大変さを知ることになりました。
金を稼ぐ大切さと意味を知れば、自ずと金の使い方も変わってきます。
彼女の生活そのものが変わっていったことでしょう。
こころの余裕もできてきたのではないでしょうか。
ウシジマくんたちから母親の借金払いが修了したことを知らされた未來は母親と弟がいる団地に足を向けました。
弟が地面に描いた自分の絵を見て未來は人と人とのつながり・人を思うこころの大切さを改めて確認したのではないでしょうか。
母親の動向は定かではありませんが、借金を完済したことから考えて、また3人家族として普通の幸せを味わえるようになるのかもしれません。
ウジシマくんが肉蝮に勝てたわけ
特にイベント会場では丸腰のウシジマくんに対して肉蝮は包丁を携えていました。