印象的なのは、彼の目前で指パッチンの犠牲になってしまったピーターパーカーの写真を見つめる場面。
「シビルウォー」(2016)でスパイダーマンをアベンジャーズの一員として認めたトニーと、彼を慕うピーターの師弟関係に目頭が熱くなったファンは多いのではないでしょうか。
本作のタイムトラベルで、アベンジャーズの世界観はさらに複雑に
アベンジャーズの世界観ではタイムトラベルをする度に、新たな時間軸の世界が誕生します。
トニーによると、過去を変えてもその未来が変わるわけではなく、分岐した世界の未来が変わるだけだということでした。
これにより本作では過去を変えることなく、これまでのMCU作品の世界に「エンドゲーム」の時間軸に存在するトニーたちが登場するという、たまらない展開が実現されたのです。
タイムトラベルによって新たに誕生した世界に関しての謎は残りますが、今後のMCU作品での新たな展開に期待といったところでしょうか。
「正義」とは?アベンジャーズを勝利へ突き動かしたものは何だったのか
「インフィニティウォー」で目的を果たし、本作では一転、農業に従事するサノスを殺すことで復讐を果たしたアベンジャーズ。
サノスの目的は「生物の50%を消すことで、資源を守り世界の均等を保つ」というものでした。
悪役にしては一見至極まっとうな理由なので、正義が一体何なのかわからなくなったという方もいるのではないでしょうか。
ヒーローである彼らにとっての勝利は失われた命を取り戻す事だったわけですが、最終的には彼らと同じくタイムトラベルでやってきたサノスとの全面対決となりました。
宇宙の均衡を謳う「大量殺戮」の正義を否定したのは「家族」の存在だった
多くを失ったアベンジャーズは、それぞれ「家族」という存在に向き合います。
孤独からアベンジャーズという「家族」を得たナターシャ、そして娘に「3000回愛してる」と言われる父親になったトニー。
一方で、サノスに愛する家族を奪われ暗殺者となったホークアイ。
時には守るべき「家族」の存在が足枷となりつつも、結果的にアベンジャーズを勝利へと導いたのは守りたい者、取り戻したい者の存在だったのです。
アベンジャーズ最終章はアイアンマンの最期とともに
「I am Iron Man」(わたしはアイアンマンだ)
指パッチンでサノス軍を倒したトニースターク。
駆け付けたペッパーポッツに「もう休んでいいのよ」と言われるシーンは、まさにアベンジャーズの終結を実感させられるものでした。
指パッチン発動直前の ”I am Iron Man” という言葉。
「アイアンマン」第一作目にも登場する言葉が長い時を経て、セリフのニュアンスに変化を感じるのは、トニースタークが物語を経て成長したということなのでしょう。
初代メンバーの名前が流れるエンドロールでもわかるように、アベンジャーズ初代メンバーの物語が完結したのは間違いないようです。
すでに予告も公開されている次作「スパイダーマン/ファーフロムホーム」は「エンドゲーム」から数分後の物語になるようです。
アイアンマンに始まり、アイアンマンで幕を閉じたアベンジャーズの新章の展開に期待しましょう。