出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B01LAOHK1Q/?tag=cinema-notes-22
『四月は君の嘘』は人気漫画が原作。
その人気ゆえに、実写版が公開された際には漫画との違いが良い意味でも悪い意味でも話題になりました。
また『四月は君の嘘』というタイトルや嘘の本質の意味深さが魅力の一つであり、多くの映画ファンを惹きつけました。
今回はかをりが残した手紙やその中に書かれた嘘から、かをりの短い生涯を輝かせた存在を探っていきます。
俳優陣の抜群の演技力が作品を輝かせる
映画のストーリーと共に注目されたのが、ダブル主演となった広瀬すず、山崎賢人の2人。
広瀬すずは役作りに余念がないことで知られており、この映画も例外ではありませんでした。
バイオリンを半年間みっちり練習して演技に臨んだのだとか。だからこそ引き込まれる演奏シーンが生まれたわけです。
山崎賢人はピアノが弾ける?
一方の山崎賢人、ピアノの鍵盤を叩く指と音がしっかり噛み合っていました。
長い指が美しくなめらかに動いていたのは印象的でした。
実はピアノの演奏シーンのほとんどが「当て振り」なのです。
彼はピアノ未経験者ですし、ちょうどNHKのドラマ収録と重なっていてなかなか練習できなかったそうです。
当て振り(あてふり)は、音楽番組などでボーカル以外の演奏部分をテープやハードディスクへの録音済み音源などで流し、それに合わせて楽器を演奏するふりをすること。手パクとも呼ばれる。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/当て振り
ただし、映画序盤で子どもたちの前で「きらきら星」を演奏していたのは彼自身です。
また、当て振りに見えないということは、弾いているように見える、つまりリアルな弾き方ができているということになります。
弾いている人の手の動きを完全に自分のものにする。手の動き指の動き一つとっても俳優魂が感じられる作品なのです。
不治の病のキャラ設定を覆す広瀬すず
かをりは明るく屈託のない笑顔で登場するため、原作を知らない方は「本当に不治の病なの?」と疑問に思ったかもしれません。
序盤、バスで病院に向かうシーンがありますが、公生の病死した母親との関連シーンだろうと感じるほどです。
日本の映画のみならず不治の病を患った少女の映画では、色白で大人しくて見るからにか弱いヒロインが登場するのが常でした。
ですから、元気いっぱいの広瀬すずをあえてキャスティングした点は非常に高く評価できますね。
終盤にはもちろん不治の病だということと、それを隠して元気なふりをしていたことが判明しました。
しかし病室のシーンを見ればやはり従来の不治の病のヒロインそのもので、ここでも広瀬すずの演技力の幅広さが垣間見えます。
ロケ地は何と5県!
この映画のロケ地がどこだか分かりましたか?実は一つのエリアに限定せず、様々な場所でロケが行われました。その数何と5県!
青春の景色が広がる鎌倉
最も分かりやすかったのが、神奈川県の鎌倉市周辺です。
海辺の町にある海が見える学校というロケーションは、この映画を青春映画たらしめている大きな要因だといえるでしょう。
藤沢行きの江ノ電や灯台が突き出た江ノ島、2人が夕陽を見るシーンは稲村ヶ崎の公園が使われていました。
高校の撮影ロケ地のメインは鎌倉高等学校、演奏シーンでは茅ヶ崎迎賓館など。
神奈川県だけとってもこれだけ様々なロケ地が使われています。
ちぐはぐにならない見事な映像
湘南の海沿いはバスの本数が少ないため通学にバスを使う人はいないようです。
また川に飛び込むシーンがありましたが鎌倉の川は飛び込みたくなるようなものではありません。
ではどこで撮影したのでしょうか。
シーンごとに最適なロケ地を探した結果5県に渡るロケになったということです。
それが違和感なく繋がっているため、ロケ県が複数にまたがっていることに気づかなかった方は多いのではないでしょうか。
タイトルに隠された謎
『四月は君の嘘』というタイトルに注目してみましょう。
原作を知っている方の中でも、あるいは実写映画からファンになった方の中でもその意味が謎だと話題になりました。
桜並木のシーンやかをりと公生が出逢った「4月」から単純に「4月に君がついた嘘」という意味だと納得しそうになります。
しかしタイトルとじっくり睨めっこしてみると『四月「は」君の嘘』という違和感満載のフレーズなのです。
なぜ「は」なのか
「四月の君の嘘」というタイトルであれば、「4月に誰かがついた嘘についてのストーリー」と意味が汲み取りやすくなります。