全く罪の意識を持っていません。

共犯者である妻・風間博子は、笑いながら死体を解剖していたのだそうです。

あまりの猟奇ぶりに当時、多くのメディアが取り上げました。

映画では「埼玉愛犬家連続殺人事件」が見事に再現されています。

それゆえ、よりリアルに狂気性を感じる映画に仕上がっています。

本が出版されている

映画の元になった「埼玉愛犬家連続殺人事件」に関しては本が出版されています。

角川文庫から2000年に発売されている「愛犬家連続殺人」というものです。

この事件をより詳しく知りたい人は、こちらもご参考ください。

映画と実際の事件を比較してみるのもいいかもしれません。

美津子のセリフが意味するもの

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信之が死んだ際に、美津子は彼に汚いセリフを浴びせかけます。

このセリフは映画全体を統括するものだったのです。

映画を統括する恐怖のセリフ

やっと死にやがったな、クソジジイ!

引用:冷たい熱帯魚/配給会社:日活

美津子は目の前で死んだ信之に上記の台詞を浴びせかけています。

このセリフが意味するものは、人間の持つ狂気の連鎖です。

本作の監督、園子温が自身でいうようにまさに救いようのない結末という訳です。

父親が死ぬ瞬間を見たことで、彼女の中に眠っていた狂気が開花した瞬間だったのかもしれません。

最後の彼女の台詞は、人間の非情さ狂気、憎しみを浮き彫りにするものです。

劇中で語られているのは連鎖

映画パンフレット 冷たい熱帯魚 園子温・監督 吹越満 でんでん 黒沢あすか 神楽坂恵

劇中では村田というサイコパスから、その狂気を受け継いだ信之の姿が描かれています。

そしてラストでその狂気は、娘である美津子に受け継がれていきました。

信之や美津子は日々の中でストレスを溜めこんでおり、狂気性へのスイッチが入りやすい状態でした。

しかし狂気性は誰もが持っているものであり、いつ何時飛び出してもおかしくないのです。

ふと瞬間で、狂気は人から人へうつる伝染病のようなものなのでしょう。

自分の中の狂気を感じる時は、誰しも少なからずあるはずです。

実際の事件である「埼玉愛犬家連続殺人」でも、夫婦である二人は狂気が連鎖していたのかもしれません。

狂気の連鎖を描いた真実の物語

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「冷たい熱帯魚」は、人間に潜んでいる狂気の恐ろしさを如実に描いた映画です。

実際に合った事件をモデルに、忠実に再現することで観る者を震撼させます。

同時に、自分の中に眠る狂気に対して恐ろしさを感じる作品ではないでしょうか。

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