彼がどうして嫌われるのかわかったところで、誰もに好かれる真の英雄とはどんな人物なのかについて考えていきます。

「誰もが望む」真の英雄とは…

人々が描く真の英雄とは、「酔っぱらいではなく」「必要以上に物を壊さず」「他人を尊重し」「普段は一般人」として「気さくに話せる」人物であり、「事件が起こったときには確実に助けてくれる」人物です。

英雄として要求されることはあまりに多いです。

人間は自分にとって都合のいいものを讃え、同じことを繰り返してほしいと願うのです。だからこそ、自分に不合理になるようなことをされると、批判をし嫌います。

そのため「確実に人を救える力をもちながら普段は使わないで」「英雄だけれど偉ぶらないで」など、矛盾した要求も多いのです。

「スーパーマン」にしろ他のヒーローものであってもこの矛盾をきれいに解消できることはありません。

誰かが喜ぶことは誰かにとって嫌がることであるからです。

人が望む「真のヒーロー」とは、人の目を気にすることを最大に課せられているのです。

彼の考える正義とは…

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 文庫 – 2011/11/25

たくさんの要求を背負うハンコックですが、彼の考える正義は一貫しています。

人からどう見られるかではなく、自分がどうしたいかということを知っているからでしょう。

人助け

彼は人々に好かれる前から、たくさんの人を助けています

また事件が起これば解決しに飛び回っていました。

彼が収監されて30%も犯罪率が上昇したとニュースが告げているように、彼は人々を助け、人々を守っていたのです。

そしてだからこそ、収監されていても人質を盾にする銀行の立てこもり強盗事件が起きたときには、ロサンゼルス市警から連絡が届いています

人を笑顔に

ハンコックが考える正義は、はじめは人命を助ければ良いというものでしたが、徐々に変わっていきます

それがラストシーンで描かれる、月にレイの推していたハートマーク(オールハート)を描くことで表されています。

ハンコックは人々を笑顔にすることも正義の一部だと感じたのです。

人々から称賛される中で彼が得たものは、名誉や称賛だけでなく、人々から向けられる笑顔の数々です。

そしてその笑顔を守ること、笑顔をつくることも、正義の一部だと考えるようになりました。

彼の愛するものは…

愛のために

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