この排他的な花に共感出来る女性も多いようです。
批判的な考え
母親であるにも関わらず、子供たちを社会から遠ざけようとする花に批判的な声も上がっています。
社会から遠ざけようとするのは、自分が子供を受け入れてないからだ、という意見もあります。
共感出来る実態
一方都会で子育てをする母親は、花の排他的な行動に共感出来る部分も多くあるといいます。
現代は子育てしにくい社会で、特に都心部は顕著に表れています。
子供の泣き声に苦情が来たり、子供の行動にも大きく制限がかかります。
ストレスを溜めた大人の中には、子供の存在を毛嫌いする人もいます。
実際に都会では映画の中の花のように、深夜に公園で赤ちゃんをあやす母親もいるのです。
花が他者と交流したくないと排他的になる気持ちは、子供を守る本能でもあります。
自分達だけで生きていけば、第三者から文句を言われることもなく、楽になれるのです。
田舎でのんびり子育てしたいと願う母親達は、みな花のような排他的な部分を少なからず持っていることになります。
花が変わっていくことの意味
田舎に移り住んでから、花は徐々に変化していきます。
人はひとりで生きていくことが出来ない
都会にいると、人はひとりで生きていけるような錯覚を感じてしまいます。
花もおそらく、自分達だけで生きていけると思っていたはずです。
しかし田舎暮らしは助け合わずに生きるのは難しいものでした。
花が心を開いていく姿は、お金さえあればひとりで生きていけるという現代人の間違いを指摘しています。
子育ては皆でおこなうもの
人目を避けるために田舎に来たけど、今では里のみんなにお世話になっている。
引用:おおかみこどもの雨と雪/配給会社:東宝
上記の花の台詞は、子育てに繋がるものです。
子育てはひとりで頑張るものでは決してありません、皆のお世話になっていいものではないでしょうか。
シングルマザーの苦悩を浮き彫りにしてきた劇中で、人の絆が花を救ってくれました。
花が学んだことは監督のメッセージ
排他的だった花は変わっていく中で、様々なことを学びました。
花が学んだことこそ、監督が伝えたかったメッセージではないでしょうか。
人によって正解が異なる
田舎での作物の育て方には、それぞれの意見がありました。
しかし結果は同じ……、方法は違っても作物は育つのです。
子育てにも同じことがいえます。
子育てにマニュアルはありません、花のように排他的になってしまうことがあってもそれもまた子育てです。
本作は、13年間の子育てがテーマになっていますが、母親は子が生まれた時に母親1年生になります。
いいかえれば花と子供達の成長ドラマでもあるのです。
ひとつしかないと思われている正解は、人によって様々な正解があったのです。