「俺には勿体ないぐらいの」妻の最後の贈り物から受け取った「希望」をボスの息子に目の前で絶たれたのが許せなかった最大の理由でした。
本作はマフィアの「負」の連鎖を、ジョンが彼らから受けた仕打ちをきっかけに、断ち切ることを決断し、やり遂げるまでを描いた壮絶な数日間のドキュメントなのです!
ガンフーって何?
ガンフーの始まりは?
本作は、チャプター1だけで既に、本職のマフィア1人が生涯撃つ弾丸の量や出くわすトラブルシーンを軽く凌駕しています。
何と言っても一番の見所は「ガンフー」と名付けられた新しいアクションです。
柔道や柔術、ガン・アクションを、スタントやエフェクト無しに役者、監督、そしてスタッフの創造力をフル稼働してミックスしたもの。
言葉そのものも「銃(ガン)」と「功夫(カンフー)」の造語です。
ガンフーのルーツとその発展の経緯は?
ジョン・ウー監督が、かつて制作した80年代香港のアクション映画「男たちの挽歌」 という作品があります。
彼はクエンティン・タランティーノの「キル・ビル」のアクションに深い影響を与えました。また巨匠マーティン・スコセッシも熱烈なファンであることを公言しています。
その作品で描かれていたのは、「リアリティーを充分に保ったまま、両手に銃を持ったままでアクションができるか?」という「実際にはありえない」アクションでした。
当時のハリウッドで、何故か大流行したのがルーツと言われています。
「ガンフー」は、その大袈裟さと設定の無茶さ故、直ぐに終焉したように見えました。
しかし!2002年の「リベリオン」(カート・ウィマー監督)という近未来SF作品で「ガン=カタ」という架空の格闘術として生きていたのです。
キアヌ・リーヴスの新境地、満載
キアヌ自身のルーツが込められた作品
「マトリックス」シリーズでの大活躍以来、いま一つこれ!といった爆発的大ヒット作に恵まれていなかったキアヌ・リーヴス。
本作ではアクション以外の、観客の琴線に触れるようなひたすら自分の仕事を全うする、あえて感情表現を抑えた演技も充分満喫できます。
キアヌ自身も、幼い頃から日本の千葉真一を師と崇めるほどのアクション映画ファンでした。ガンフーとの出会いは早く、「マトリックス」の制作時と思われます。