ではシヴドゥが滝の上に焦がれる理由とは一体何なのでしょうか?
滝の上に焦がれた理由は運命
シヴドゥが滝の上に焦がれた理由はアヴァンティカへの想いではありません。
もちろん高いところが好きなおバカやヤギだったためでもありません。
滝の上に焦がれる理由、それはシヴァ神の導きによる運命でしょう。
シヴァリンガを滝へ置いた際に木の仮面が落ちてきたのは偶然の出来事でしょうか?偶然にしてはタイミングがよすぎます。
全てはシヴァ神の導きによるものと考えるのが妥当でしょう。
マヒシュマティ王国の正当な血筋を持ち、公正なシヴァガミが認めた父バーフバリ。
この非業の死を遂げた父の代わりとして、民の犠牲や神をも恐れぬ傲岸不遜なバラーラデーヴァに罰を与えるため、破壊神シヴァがシヴドゥを呼び寄せたのです。
シヴドゥの母デーヴァセーナ王妃と、それを救い出そうとするクンタラ王国一党の呪詛ともいえるようなバラーラデーヴァに対する強い復讐心が、シヴァ神に通じたともいえるでしょう。
シヴドゥはシヴァ神が与えた運命により滝の上に焦がれていたのです。
シヴァ神が滝の上へ通じる隠し通路を教えない理由
シヴドゥが滝の上に焦がれる理由がシヴァ神の導きによるものなら、はじめから滝の上に通じる隠し通路をシヴァ神がお示しになるだけで解決するのでは?と思われる人も多いでしょう。
残念ながら簡単に隠し通路を教える訳にはいかないのです。
物語がつまらなくなってしまうというような訳ではありません。
想像してみてください。もし鍛錬もしていない普通の青年シヴドゥが滝の上に到達したら何か役に立つでしょうか?
そんな状態ではマヒシュマティ王国の兵士にあっさりと殺されてしまうでしょう。
下手をすれば追いはぎや森の野生動物などに追われて、逃げ惑うはめになるかもしれません。
滝に登ることはシヴドゥにとって運命であると同時に鍛錬、『滝を登りきる力=バーフバリの力』となるようにシヴァ神が与えた訓練課程だったのです。
シヴドゥを鍛えるために、滝から何度落ちてもケガ一つしないという神の加護を与えていたと考えると腑に落ちます。
シヴドゥに強い影響を与えるシヴァ神とは?
シヴドゥに強い影響を与え、劇中に登場するシヴァリンガなどにも関係するシヴァ神。このシヴァ神について解説します。
シヴァ神は破壊神ですが、何でも破壊する乱暴な神ということではありません。
世界に終末が近づいたとき、もう一度世界を作り直すために、いまあるもの全てを破壊してゼロに戻すといった役割を担っています。
ヒンドゥー教では最も影響力を持つ3大神の中の1人で、シヴァ派では最高神に位置づけられている偉い神様です。
シヴァ神は、ヨーガを創始した神ともいわれ、日本では、不動明王や大黒天と呼ばれて親しまれています。
シヴァリンガとは?
続いてシヴドゥに道標ともいえる木の仮面を与えるキッカケともなった、村の人々が崇めるシヴァリンガとは何なのか見てみましょう。
シヴァリンガが象徴するもの
シヴァリンガは日本では馴染みが薄いものですが、ヒンドゥー教が盛んなインドでは一般的な存在です。
名作映画「インディージョーンズ 魔宮の伝説」にも登場しており、映画ファンの中にはご存知の人もいるかもしれません。
劇中にサンカラストーンという光る石が登場しますが、それがシヴァリンガです。
シヴァリンガというのはシヴァ神のご本尊のこと。