出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00NIOVIK6/?tag=cinema-notes-22

1985年にクリス・ヴァン・オールズバーグ氏によって原作が出版され、日本では1987年に村上春樹氏の翻訳により日本版も出版されています。

原作者から「アニメにして欲しくない」と言われながら、2004年その禁を破りアニメ映画として公開されたのが『ポーラー・エクスプレス』です。

今回は謎の男・ホーボーの正体この物語が誰に向けて作られたのか、そして最後にサンタが手紙を残した意味

そんな本作の「謎」について考察していきます。

キーワードは「メタフィクション」

メタフィクション―自意識のフィクションの理論と実際
ポーラー・エクスプレス全体の物語構造を読み解くキーワードは「メタフィクション」です。

メタフィクションとは「作品の物語構造がフィクションである」と作り手が意図的に受け手に知らせる手法のこと。

主に既存の物語を再構築するのに用いられます。

以下どの辺りがポーラー・エクスプレスのメタフィクションなのかを見ていきましょう。

サンタクロースの存在

全体を通して貫かれているテーマは「サンタクロースは本当に存在するのか?」です。子供の頃、誰しもが一度は疑問に思ったことでしょう。

大半の人が思春期までに「サンタクロースは本来存在しない作り物の存在である」という現実に気付き、大人になっていきます。

しかし、ポーラー・エクスプレスはその疑問に真正面から向き合い、最終的に「サンタクロースは居る!」と肯定しています。

つまり現実にはありえない大嘘を本気で信じる大切さを再確認する物語なのです。

二重構造のメタフィクション

即ち本作はサンタクロースが虚構の存在であることを受け入れる所から始まります。

その上でサンタの神話構造を解体・再構築し現実として真正面から受け入れるという形のメタフィクションなのです。

子供達から失われつつあるもの

一流の想像力 仕事の感性が磨かれる56のヒント (PHP文庫)
主役は子供達ですが、面白いのは「サンタクロースの存在を疑いかけている子供達」であるという点です。

それは即ち子供達が「想像力」を失いかけているということであり、想像力は子供から大人になる過程で徐々に失われていくものです。

大人になるとサンタクロースに対して斜に構えてしまい、大人の常識が邪魔して見えるはずのものが見えなくなってしまいます。

ポーラー・エクスプレスの子供達は正にそんな大人の常識に染まりかけているのです。

大人の解釈で演じられる

そのような複雑さを伴う子供達の演技が可能になったのはひとえに主演トム・ハンクスを初めとする各声優陣の熱演があってのことです。

トム・ハンクスは来日会見で本作の見所を「大人の解釈で子供を演じている」と語り、実際にキャプチャー・スーツを身にまとっての演技もしています。

トム・ハンクスといえば『フォレスト・ガンプ』が有名ですが、アニメ作品では『トイ・ストーリー』シリーズのウッディが有名でしょうか。

大人ながら純粋な少年の心を持った彼が中心だったからこそ主人公をはじめ子供達の演技がリアリティのあるものになっているのです。

パフォーマンスキャプチャー

またポーラー・エクスプレスの演技力を支えているもう一つの要素、それがロバート・ゼメキス監督の持つパフォーマンスキャプチャーです。

パフォーマンスキャプチャーとは現実の人物・物体の動きをデジタル技術でコンピューターに取り込む手法で人間の細かな演技まで再現できます。

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