男性器を模した突起(リンガ)と女性器をかたどった受け皿(ヨーニ)からなる豊穣多産のシンボルで、神像と同じように人々の礼拝の対象となっています。

シヴァリンガは性交時の状態を子宮側からあらわしています。

性交を子宮の中から眺めているような感じです。つまり私たちの世界が子宮(宇宙)という壮大な世界観を体現しています。

シヴァリンガに水をかける意味

シヴァリンガに水をかけるという行為についても触れておきましょう。

天界を流れていたガンジス川を地上へ流すときに直接流すと大災害となってしまうため、ワンクッション入れてシヴァ神の頭で一旦ガンジス川を受け止めた、という神話に由来します。

頭に水を流すという行為は、灌頂という仏教の悟りの儀式でも見られる行為ですが、由来は同じです。

滝行などの水行なども灌頂に含まれます。

シヴァリンガや頭に水を流すことは神聖な行為として儀式や修行、願かけなどに用いられてきました。

シヴドゥの育ての母サンガは、シヴドゥが危険な滝登りに挑戦しないように、シヴァリンガへ1000回水をかけるという願かけを行っていました。

シヴァリンガを持ち上げる姿はシヴァの化身

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シヴドゥという名前には『シヴァ』という意味があります。

シヴァのご神体ともいえるシヴァリンガを軽々と持ち運ぶことができるシヴドゥは、シヴァ神の化身、シヴァ神そのものといっても過言ではないでしょう。

シヴドゥがサンガの願かけの負担を軽減するため、岩場のシヴァリンガを根こそぎ強引に持ち上げ、滝の真下へと持ち運ぶシーンは、シヴドゥにシヴァ神が降臨したかのような大迫力です。

シヴァリンガを持ち上げるシヴドゥの姿は、これからシヴドゥがバラーラデーヴァに対して行う復讐や破壊を暗示するかのようでもあります。

その姿が体現するのは、未来の破壊や戦乱、破壊神シヴァの化身としての力そのものでしょう。

壮大な物語は続いてゆく

滝を登ったシヴドゥはアヴァンティカと運命の出会いを果たし、デーヴァセーナ王妃を救出するための戦いに巻き込まれていきます。

前半と後半で全く違う映画

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シヴドゥはデーヴァセーナ王妃を救出し、カッタッパから自分の生い立ちと宿命を知ることになります。

ここから本作はシヴドゥから父バーフバリの物語へ急転回します。

前半と後半でガラッと内容が変わってしまうので、面喰らってしまったという人もいるかもしれませんが、1本の映画で2本分の映画が楽しめると考えればお得でしょう。

戦争がメインの後半

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シヴドゥの父バーフバリが主人公となる後編は戦争がメインとなりますが、見どころや名シーンは盛りだくさん。

とくにマーライオンの頭のようなレリーフで、バーフバリが戦うバトルシーンは圧巻です。

敵国のカーラケーヤ族長に多数の兵士を投げつけられ、兵士の山の中に埋もれてしまったバーフバリ。

窮地に追い込まれたバーフバリですが埋もれた兵士を吹き飛ばすと、いつの間にかマーライオンの頭のような黄金のレリーフを手にしています。

このライオンのレリーフは、破壊されてしまったバラーラデーヴァの戦車についていたものです。

マーライオンのような頭を武器としてカーラケーヤ族長に反撃を繰り出し、最後に頭へ噛みつくシーンは映画史でも類を見ない名バトルシーンといえるでしょう。

カーラケーヤ族長との戦いに勝利したバーフバリは王になりますが、忠臣のはずのカッタッパになぜか殺されてしまいます。

衝撃的な真実を知った息子のシヴドゥ、壮大な物語は次回作へと続きます。

豪快な展開を見せる映画ですが、インドらしいスケール感がある傑作です。

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