気が付かないうちにいつの間にか目の前にガラスの壁が存在していたのです。

クリーム・ブリュレのカラメルを割るという行動は、アメリ自身も含め他人の殻を破ることが好きということを示唆しています。

ガラスの箱は存在しないものだった

アメリが閉じ込めていたガラスの壁を壊そうとしたきっかけは、友人のレイモンのメッセージでした。

君の骨はガラスでできているわけじゃない。君は人生にぶつかっても大丈夫だ。

引用元:アメリ/配給会社:UGC

このメッセージがアメリを支え、自分の前にあった「思込みのガラスの壁」を壊すきっかけになっています。

部屋の扉を開けた時、アメリは自らの意思で幸せをつかみました。

ガラス男ことレイモン・デュファイエルのこの言葉は、名言として今でも多くの人の心に残っています。

両親が作り出したガラスの壁の正体は、最初からアメリの空想だったのです。

自分だけでは幸せになれない

アメリ―モンマルトルのアメリとパリの映画たち (シネ・カルネ)

映画のキャッチコピーでもある「幸せになる」には、様々な要素が必要です。

アメリはどのようにして幸せになったのでしょう。

アメリの幸せの法則は「人を幸せにすること」から始まった

劇中の最後でアメリは自分の幸せを手に入れますが、自分の幸せを手に入れるまでの過程でアメリは他人を「幸せ」にしてきました。

多くの人を幸せにすることで、自分も幸せを感じていたのです。

自分の空想の世界だけでは手に入れることの出来ない「幸せ」の形です。

ひとりで幸せになるのは難しい

自分の幸せを手に入れようとしたとき、自分だけで実現するのは難しいものです。

人を幸せにしてきたアメリも自分の幸せを実現するのに苦労していました。

アメリがコミュニケーション障害を持っていたからというだけではなく、実は多くの人にいえることなのです。

アメリが幸せになろうとしたとき、アメリの周りには友人たちの姿が見えます。

レイモンがアメリの背中を押したように、本当の自分を理解してくれる存在が「幸せになる」為に必要です。

劇中のアメリの行動を考察すると幸せになる為のステップが見えてきます。

  • 自分世界から外へ飛び出す勇気を持つこと
  • 待ってる生き方をやめ、自分から主体性をもって生きること
  • よき理解者と出会うこと
  • 自分を変えるのではなく、自分らしく成長すること

上記の行動を起こすことで、アメリはニノとしっかり向き合うことができました。

アメリに登場する個性的な面々にも意味がある

斉藤要『モンマルトル(F6号)』油彩画 風景画 サクレクール モンマルトルの丘 街並 パリ フランス【油絵 絵画】【B4119】

登場する人物達はストカー気質の男性や、引きこもりの老人、そして他人の写真を集めるニノなど「普通ではない」人がほとんどです。

しかし普通というレッテルを張って、狭いかごの中に閉じこもっているのは観ている観客の方なのかも知れません。

フランス人の考え方が反映されている

劇中にはフランスの美しい風景や、カフェなどフランスらしさがぎっしりと詰め込まれています。

登場人物達の行動は人とは違うものですが、人の目を気にして止めておこうとしたり、人と自分を比べたりすることはありません。

彼らはあくまでも自然体で生きています。

フランス人の生き方を象徴したような登場人物達といえます。

人と違うことが魅力であり、自分らしく自然体で生きることが美しいのです。

絵本の世界をのぞくような映画

ポスター レシェク ゼブロウスキ アメリ[ジャン=ピエール・ジュネ]

アメリはナレーションが物語を紡いでいきますが、この演出で観ているものが絵本を読んでいるかのような錯覚に捕らわれます。

美しい映像と不思議なアメリという存在、観るほどにはまっていく数少ない映画です。