「ダッチボーイ」の名前の由来と設定
指一本でオランダを救ったハンス少年
ダッチとはオランダの意味です。
開発者の1人であるジェイク・ローソン(ジェラルド・ハドラー)が命名した由来を以下の様に明かしていました。
オランダで大堤防の裂け目を見つけたハンスという少年が、その箇所に指か腕?を突っ込んで堤防の決壊を防ぎ、大洪水の被害から救った、
というエピソードにちなみ、希望を託してダッチボーイとしたそうです。
「ダッチボーイ」の設定の的確なところ
- アメリカと中国が中心で、世界に協力を呼びかけて運用が実現する
- アメリカが運用管理し、世界17カ国での共有に移行する2週間前の出来事
もし世界が本気で「ダッチボーイ」の仕組みを実現させたら、充分に想定しうる内容がシンプルに分かりやすく説明されていました。
「ダッチボーイ」の意味不明な設定
- 「自爆機能」/トラブルで墜落した時のため
- 悪用されると地球を壊滅されかねない事態になるのに、ウィルスを容易く仕込まれる脆弱性
- スマホを再起動するみたいに、簡単にリカバーできる仕組みそのもの
この3点には現実離れした安易さを感じてしまいます。
ジオストームは、実際は未曾有の規模の、トラブルの最終段階という触れ込みでした。
システム上では、なぜか既にタイムカウントダウンの表示までなされ、仕組みができていた点が惜しい!
ツメの甘さが垣間見えてしまいました。
「ダッチボーイ」は、民主主義やSNSのメタファーか?
「銀行同然の国を1945年の栄光の国に戻す」とは?
ストーリーの終盤、犯人だったアメリカのデッコム国務長官が言い放ちました。「銀行同然の国を1945年の栄光の国に戻す」と。
まさに今現在のアメリカの「死の武器商人たち」や権力者たちがこぞって口にしていそうなセリフですね。
実際「ダッチボーイ」は、今や風前の灯火の「民主主義」や、SNSでの暴走の巧妙なメタファーになっているようにも見えます。
それはどういうことかというと…
ゼウス計画とは?
ズバリ破滅的なジオストームのシミュレーションのことです。
つまり、アメリカからダッチボーイを運用する権利が世界17カ国に譲渡されようとするのを阻止しようとする大胆不敵な計画です。
ネーミング自体も「ゼウス」全能の神ゼウス(神=システムの裏口を封鎖できる唯一の人)から由来していました。
暴走する現代の権力者に対する風刺?
本作に置き換えるとアメリカ大統領(アンディ・ガルシア)自身がダッチボーイの「緊急停止コード」を所持、運用できるということです。
まさに現代の幾つかの国々に対する警鐘か?というのは考え過ぎでしょうか?