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映画『サウンド・オブ・ミュージック』は1959年にブロードウェイで公開された舞台を原作とし、1965年に世界的に大ヒットしました。
第38回アカデミー賞では5部門を獲得し、素晴らしい音楽と美しいシーンで世界を魅了する不朽の名作となっています。
実話が元になった本作は、どんな脚色がされているのでしょう。
実話との相違点に注目しながら、本作の時代背景を考察していきましょう。
実話との相違点
『サウンド・オブ・ミュージック』は実話を元にしたストーリーですが、実話と映画とでいくつか相違点があります。
登場する子供の性別や名前の違い
劇中では長女の設定ですが、現実では長男16歳です。
兄弟の一番上をリーズルという女の子にしたのは「もうすぐ17才」の歌を起用するためのものだったのでしょう。
そして彼らの名前もすべて変えられています。
- 16歳ルーペルトがフリードリッヒ
- 14歳アガーテがリーズル
- 13歳マリアがルイーザ
- 12歳ウェルナーがクルト
- 10歳ヘートウィクがブリギッタ
- 8歳ヨハンナがマルタ
- 6歳マルティーナがグレーテル
14歳の長女は元妻と同じ名前で、次女はマリアだったんですね。
少々ややこしくなるので名前を変えたのでしょうか。
マリアは修道院に馴染めなかった
劇中ではおてんばと紹介されていますが、実際は修道院に馴染めず辞めています。
アリアが体調を崩して辞めたともいわれ、いずれにしても修道院の生活はマリアに合っていなかったのでしょう。
マリアは修道院をやめてのち家庭教師になったのです。
更に7人全員の家庭教師ではなく、長女アガーテと次女マリアの家庭教師だったようです。
劇中での設定が大分違ってきますね。
スイスへの亡命時期の違い
劇中では結婚直後に亡命していましたが、実際には結婚してから11年後だったといわれています。
実際は亡命時、子供達は大きく成長しており後にマリアが生んだ2人の子供も加わっていました。
すぐ亡命するという設定は登場人物などの映画展開上の都合だったのかもしれません。
史実では結婚は1927年、亡命は1938年です。
その間トラップ一家は「トラップファミリー合唱団」としてヨーロッパツアーを成功させています。
ハンスはスパイではなかった
劇中で裏切り者として描かれている執事のハンスですが、実際は裏切りものではありませんでした。
当時のオーストリアでは、反ナチス派は監視されている状況でした。
事実トラップ家の執事ハンスはナチス党員です。
おそらく彼も監視要員だったのではないでしょうか。