その姿は法というルールの元、自分の職を全うするプロフェッショナルそのものです。

アベルは祖国ソ連に忠誠を誓い、たった一人で命をも投げ捨てる覚悟でスパイとして最後まで生きる姿に、ドノバンは共通するものを感じずにはいられなかったのです。

二人は仕事に対して真面目にその道のプロフェッショナルとして取り組んでいることから、お互いを尊重し合える関係まで発展し、ドノバンは迷うことなくアベルの弁護を続けたのでしょう。

ドノバンとアベルの絆

ドノバンとアベルはお互いの確固とした信念を認め合い友情が生まれていきます

例え仕事や国際や置かれた境遇が違ってもお互いに敬意を払う事で絆を深める事が出来ると、現代社会へのメッセージ性も込められています。

交渉役として再びドノバンが指名され、引き受けた理由

米国としてはソ連に捕えられたパイロットをスパイとは認めたくない、言えない為に交渉役は政府の人間ではなく民間人である必要がありました。

そこでドノバンに白羽の矢が立ち、東ドイツに命がけの交渉に出向くわけです。

失敗しても国としては助けてもらえない、もしかすると核戦争になるかもしれないという状況下の中ドノバンが引き受けた理由はアベルとの友情という絆があったからでしょう。

「橋」と「壁」に描写されるものは何か

Magazine 1961 Time Berlin Art Print Poster Wall Decor 12X16 Inch 雑誌の表紙ベルリンポスター壁デコ

作品の中では、建設中のベルリンの壁がリアルに描写されています。

この壁の建設シーンですが、実際にベルリンの壁と同じ素材を使用し、ほぼ同じ高さの壁を300ヤードにわたって建設されたそうです。

ベルリンの壁に対比されるもの

ベルリンの壁を超えようとして銃殺される市民をドノバンは目撃します。そしてベルリンの壁には近づくなとも忠告されていました。

その対比としてラストでは子供たちがフェンスを楽々と超えていく姿が描かれ、民主主義の自由さを表現しているのではと思われます。

スピルバーグ作品では過去の過ちを風化させないようにというメッセージが込められています。

ベルリンの壁を知らない世代が増えてきた今、史実を伝える意味でも最後のブロックが閉じられるシーンなどリアルに表現されていました。

また、もう一つこの作品のテーマともいえる「尊厳を貫く姿勢」を強固な壁になぞらえられ、越えられない壁を超えるものとして交渉するドノバンを表現しているのではないでしょうか。

タイトルのブリッヂに込められた2つの意味

タイトルにあるブリッジは、スパイの交換が行われた東ベルリンとポツダムを結ぶグリニッケ橋のことを指しています。

これは今でも実在している橋でありラストのスパイ交換シーンもここで撮影されています。

そしてもう一つの意味はブリッジというのは「架け橋」としての意味であり、断絶された国と国をつないだドノバンそのものを表している事がラストの描写でわかります。

近くても遠い対岸の間には様々な思惑が流れ隔てられた状態から、お互いの合意点を見つけ出し橋となり繋いでいく

それが国を背負った交渉役でも、民間の弁護士だったとしても、ドノバンは使命として全うする。

それは現代社会を生きるわれわれに投げかけられたメッセージともとらえることが出来るでしょう。