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フランク・ダラボン監督の傑作『ミスト』は2007年に制作されたSFホラー映画。
怪物が潜む深い霧に覆われてしまった街のスーパーマーケットを舞台として、そこに閉じ込められた人々の恐怖を描いた群像劇です。
原作は押しも押されもせぬホラーの帝王スティーヴン・キングで、フランク・ダラボンによるスティーヴン・キング原作の映画化は本作『ミスト』で3本目になります。
フランク・ダラボンは、傑作『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』と続いて、本作『ミスト』でも大成功を収めました。
本記事では映画のタイトルにもなっている霧(ミスト)の原因、人々が宗教に救いを求めた理由や衝撃的なラストなどを解説していきます。
本作『ミスト』について
まずは傑作といわれる本作の原作などについて見てみましょう。
原作は中編小説
本作の原作はスティーヴン・キングが1980年に発表した中編小説『霧』です。
『霧』は『闇の展覧会』という書き下ろしの短編集に収録されていました。
当時日の出の勢いだったスティーヴン・キングが書き下ろした小説ということもあって、話題になりました。
ゲーム化も進行していた
本作はコナミでゲーム化の企画も進んでいましたが、諸事情により断念されることになりました。
しかし、怪物の潜む霧に覆われた街という点は名作『サイレントヒル』に引き継がれ、ゲームとして発売されました。
後に映画化されたのでご存知の人も多いでしょう。
本作で発生する霧とは?
本作のタイトルにもなっている霧(ミスト)。
この街全体を覆っている霧は一体何なのでしょうか?この霧について解説します。
霧の原因
霧の原因は軍が秘密裏に行っていたアローヘッド計画です。
このアローヘッド計画の失敗により霧が発生しました。作
中でアローヘッド計画の詳細は明かされていませんが、軍人のウェイン二等兵が噂として聞いた計画概略を説明しています。
アローヘッド計画では異次元を観察するための小窓が作られていました。
ところが事故により異次元との間に扉が出来上がってしまい、異次元の怪物と霧が扉からやって来てしまったのです。
霧の中の怪物はダーク・タワーから来た
実は霧の中の怪物たちはスティーヴン・キングのダークファンタジー小説『ダーク・タワー』に関連しているそうです。
怪物たちは『ダーク・タワー』の舞台である中間世界というところからやってきました。
ダーク・タワーはスティーヴン・キングがライフワークとしている長編小説で映画化もされています。
スティーヴン・キングが執筆したさまざまな作品とリンクしており、本作『ミスト』もその中のひとつといったところでしょう。
本作の冒頭でデヴィッドの描いているポスターは『ダーク・タワー』の絵ですが、こういった遊び心のある演出からも『ダーク・タワー』との関連が垣間見られます。
心の霧
本作で霧に覆われるのは街だけではありません。人の心という物理面ではない部分までも霧に覆われます。
怪物の潜む異常な霧は、人々に不安と恐怖をもたらし、普段聡明な人ですらその判断力を鈍らせ盲目に変えてしまいます。
ブレント・ノートンのような優秀な弁護士も冷静さを失い判断力を欠いています。
扇動者がごく普通の人々を変える
本作は怪物の潜む霧に覆われたスーパーマーケットという、限られた空間内で繰り広げられる群像劇です。