猿が中心となった惑星に人間が迷い込むという設定が「猫の恩返し」と似たような部分があるのではないでしょうか。
森田監督が「猿の惑星がなければ違った内容の作品になっていたかもしれない」ということを周囲に話していたそうです。
ジブリらしくないヒロインの性格
「猫の恩返し」のヒロインはこれまでのジブリ作品とは少し違ったキャラクターが特徴的です。ヒロインの吉岡ハルはどのように誕生したのでしょうか。
「猫の恩返し」のヒロインは森田監督の好みの女性だった!
当初宮崎駿監督が設定した主人公ハルのキャラクターは「小さくて可愛いが強気な女の子」だったそうです。
「猫の恩返し」の監督を務めた森田宏幸監督はこのキャラクター設定に共感できませんでした。
そこで森田監督は宮崎駿監督に相談し、自分の好みに近い女性を主人公に落とし込みました。「猫の恩返し」のヒロインは「背が高くてスリムな大人びた女性」となっています。
宮崎駿監督の設定とはほぼ真逆のキャラクター設定となったことで、これまでのジブリとは違うジブリらしくないヒロインが誕生したのです。
「猫の恩返し」と「ギブリーズ episode2」
「ギブリーズ episode2」は「猫の恩返し」と同時に上映されたジブリの短編アニメ映画です。
宮崎駿監督の多くの作品で原画担当としてスタジオジブリに所属していた百瀬義行が監督を務めました。
「猫の恩返し」と「ギブリーズ episode2」の共通点
同時上映された「猫の恩返し」と「ギブリーズ episode2」ですが、2つの作品には特にこれといった共通点がありません。
ところが映画のプロデューサーである鈴木敏夫は2つの作品の主人公に共通点があると話しています。
「猫の恩返し」と「ギブリーズ episode2」の主人公は目の前にあることに真面目に取り組み実現させていくような人物です。
自分らしさを失わずに自信を持って努力していくというメッセージを同時上映によって送っているのかもしれません。
まとめ
「耳をすませば」のスピンオフ作品といわれているジブリ映画「猫の恩返し」について、裏設定やジブリらしくない性格のヒロインについて解説しました。
「猫の恩返し」と「耳をすませば」には同じ名前の猫が登場するためその関係性も興味深いといえます。
「続編は制作しない」といわれているジブリ作品の中で、つながりのある「耳をすませば」と「猫の恩返し」はセットで観ることをぜひおすすめします。