月に支配されてしまう体らしい
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
女性の体が月の引力に関係していることは医学的にも証明されていることです。
劇中で、月に支配されやすいというのは伏線になっています。
ツマは満月にお願いをすると効果があると信じているのです。
満月へのお願いによって、ムコとの距離が縮まり精神的に安定したのかもしれません。
きいろいゾウとはなにか
タイトルにもなっている「きいろいゾウ」とはいったい何なのでしょう。
本作ではきいろいゾウに会ったことで、生き物と話が出来るようになったという構図でした。
映画と原作では違う
劇中でツマはきいろいゾウについて下記のように大地に話しています。
きいろいゾウの夢を見た
引用:きいろいゾウ/配給会社:ショウゲート
しかし原作小説ではツマも「きいろいゾウの絵本」が一番好きだったと告げています。
夢を見たとすることでより幻想的な雰囲気を出そうとしていたのでしょう。
小説から生まれた絵本がある
本作品の原作小説「きいろいゾウ」の著者西加奈子が、執筆した絵本があります。
絵本では病気の女子が月に願いをかけ、きいろいゾウによっていきたい場所に連れて行ってもらうストーリーです。
この絵本に登場するきいろいゾウから考察すると、劇中に出てくるゾウの姿が見えてきます。
ツマが会ったきいろいゾウは、ツマの願いを叶えてくれる存在であり希望の光でもありました。
きいろいゾウはムコだった
劇中に登場するきいろいゾウの声はムコ役の向井理が担当しています。
これにはきっと訳があるはず……。
絵本の「きいろいゾウ」を参考にして観ると、きいろいゾウ自身もひとりで寂しい思いをしている存在だったのです。
ツマを連れ出したムコもまた、孤独な人間でした。
完璧ではない二人は出会い、補うことで幸せを見出していったのです。
入院中にツマが見た夢は、ムコと出会う予知夢的なものだったのかもしれません。
夫婦の愛の姿を描いた作品
劇中の二人はお互いの気持ちを上手く表現できない人物でした。
言葉にしないことで起こるすれ違いは、現実社会でもよくあることです。
様々な困難を乗り越えてやっと本物の夫婦になれた二人は「愛」とは何かを優しく教えてくれました。
原作や絵本を読んでみると『きいろいゾウ』の世界観がより深く理解できるのではないでしょうか。