描かれていたのは「ゴジラ」「ラドン」「モスラ」そして「キングギドラ」です。
そして、映画の締めくくりは、2014年に公開された『GODZILLA ゴジラ』に出てくるゴジラの鳴き声でした。
また「地球の王は人間ではない」という台詞は劇中で何度も繰り返されています。
もちろん怪獣映画ですから、メインは怪獣になるので、ある意味当たり前と思われるかもしれません。
しかし、この映画とも深く関係しているゴジラには「核兵器の恐ろしさ」のメッセージが強く込められています
人間への警鐘の象徴でもあるゴジラと深く関わる今作。
その作品が「人間は地球の王ではない」という強烈なメッセージを放っているのです。
なぜベトナムが舞台となったのか?
ではなぜ「ベトナム」が舞台に選ばれたのでしょうか。
それはベトナムが「人間は地球の王ではない」というメッセージを最も伝えられる場所だからです。
先ほど書いた通り、冷戦時代にベトナムはアメリカとソ連の代理戦争の舞台となりました。
そして、冷戦は世界の盟主を決める戦争でした。
あえて「世界の盟主(王)」を決める冷戦の代理戦争が行われた場所を映画の舞台にすることで本作のメッセージをより深く伝えられるのです。
大佐のコングへの異常な執念の理由は?
パッカード大佐は本当は部下思いではない
登場人物の中でも存在感を放っていたのが、サミュエル・L・ジャクソン演じるパッカード大佐ではないでしょうか。
冷静かつ慎重な判断ができる一方で、コングに対し異常なほどの執念を抱いている側面もありました。
コングと対面したときのサミュエル・L・ジャクソンの演技には強い憎しみが表れていました。
コングへの憎しみの理由について、大佐自身は「部下の敵討ち」と称しています。
しかし、本当の理由が「部下の敵討ち」だと思った観客は少ないのではないでしょうか。
なぜなら、大佐は島で多くの部下を失いますが、全く気に留めずにコングを仕留めることだけを考えています。
本来の任務でもないのに、大佐がここまでコングに執着する本当の理由とは何なのでしょうか。
大佐がコングに執着する本当の理由
大佐がコングに執着する本当の理由、それは「敵を求めていたから」です。
アメリカがベトナムから撤退した理由は以下の3つです。
- 資本主義・自由主義陣営からの批判
- アメリカ国内での反戦デモ
- 軍事費の拡大による経済悪化が理由
国が撤退を決めたため、パッカード大佐はベトナムを倒すという任務を不本意ながら達成することができませんでした。
そこで任務を達成できなかった、敵を倒せなかった怒りや不満をコングにぶつけたのです。