しかしパメラ・ボーヒーズは時を超えて殺人を犯していきます。
そのことが「呪い」という言葉に現れているのでしょう。
彼女は狂気によってクリスタルレイクという場所に、執拗にこだわりまさに呪いをかけていったのかもしれません。
ラストシーンの物語るもの
アリスを湖に引き込んだ少年は、画像の中では紛れもなくジェイソンです。
彼は少年のすがたのまま生きていたのでしょうか。
アリスの妄想だった?
ラストにアリスは湖に引きずり込まれますが、その時に現れたのは少年です。
23年前に少年だったジェイソンが、そのまま子供の姿であるはずがありません。
更にジェイソンは障害を持っているので泳ぐことが出来ないはずです。
おそらくジェイソンがアリスを湖に引きずりこんだのは、アリスの見た幻想だったのでしょう。
恐ろしい目に遭い、正当防衛とはいえ自分の手で人を殺してしまった彼女もまた正常な精神状態とは思えません。
パメラ・ボーヒーズの事件を通して、恐怖心が見せた幻だったのではないでしょうか。
アリスの妄想が予言となった
ジェイソンがまだ湖にいる
引用:13日の金曜日/配給会社:ワーナーブラザース
病院で目覚めた彼女が口にする言葉は、彼女の思い込みであり予言のような言葉でもあります。
この言葉が観客の意見を分け、本作に謎を残したのは言うまでもありません。
ジェイソンは生きているかも知れない
ジェイソンは生きているかも知れない、もしかして続編が出るのかもしれないという思いを多くの観客に持たせたまま幕を閉じました。
当時はジェイソンは生きていたのか、それともアリスの夢だったのかと話題になっています。
そして事件から2か月後を描いた続編では、ジェイソンは生きていました。
息子の復讐が1作目の殺人の理由ですが、2作目では母親の復讐が殺人の動機になっています。
こうして「13日の金曜日シリーズ」の殺人鬼ジェイソンが誕生したのでした。
ジェイソンの原点を知る作品
第1作目となる『13日の金曜日』ではジェイソンでなくジェイソンの母親が犯人でした。
スプラッター映画として定着している作品ですが、1作目は息子の死が引き金になった母の狂気が描かれています。
作品を深読みしていくと少々切ないストーリーも見え隠れしてきますね。
ホラー映画を代表する殺人鬼ジェイソンの原点は、本作にこそあったのです。