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スカーレットとレットは様々な経験を超え、やっと結ばれましたが最後は別れという悲しい結末を迎えます。
なぜ二人は上手くいかなかったのでしょう。スカーレットに非があると思われがちですが、果たして本当にスカーレットだけが悪いのでしょうか。
レットの理想像が変化した
レットがスカーレットに惹かれたのは、普通の淑女ではないからです。結婚前にスカーレットにも彼女の性格を把握していると伝えています。
しかしスカーレットが妻になり、子供が生まれるとごく普通の良妻賢母を求めます。
一方スカーレットは、体型が崩れるのが嫌いう理由で子供を産みたくないといったり、わがままな性格は変わりません。
彼女の性格を本当に把握しているならば、良妻賢母を求めるのは少しズレていたのかも知れません。
スカーレットは平凡な生活を望んでいなかった
レットは破天荒な生き方をしていましたが、求めるものは平凡な幸せであり平凡な家庭でした。
しかしスカーレットは、平凡というものに物足りなさを感じる女性です。
もしラストシーンで、二人が結ばれてもその先にあるのは離婚ではないでしょうか。世にいう価値観の違いが二人の間に存在しているのです。
スカーレットとレットのすれ違い
「風と共に去りぬ」の見どころのひとつは、スカーレット・オハラとレット・バトラーの気持ちの連れ違いです。
重なりそうで重ならない二人の想いが観る者を劇中に引き込んでいきます。
すれ違いが絶妙
二人の愛はレットの片思いからスタートします。
しかし、スカーレットはアシュレーへの執着心（メラニーへの対抗心）をずっと心に持ちつつ愛のない結婚を繰り返します。
しかしレットは愛のない結婚に嫉妬する様子もなく、スカーレットへの愛を持ち続けています。
後半部分には、二人の想いがどんどんズレていく様子が上手く表現されています。
二人の歯車に割り込んできたのは実際には存在しない「アシュレー」という幻です。
次第にアシュレーへの思いが偽物だったと気が付くスカーレットに対し、彼女はアシュレーを愛し続けていると思い込むレット。
レットの心が離れていくさまが絶妙に描かれています。
「生き残る意思の強さ」が魅力的な女性
スカーレットは南北戦争を生き抜いた強い女性です。彼女の強さの根源は一体何なのでしょう。
生き抜こうとする気持ち
戦争という過酷な時代を生き抜くという思いこそ、彼女の強さの根源ではないでしょうか。
スカーレットは、数々の困難に直面し絶望しますが生きることをあきらめないという不屈の精神で立ち上がります。
手段を選ばないという強さ
劇中でスカーレットは下記の誓いを口にします。
もう二度と飢えに泣きません、家族も飢えさせません
その為なら、人を騙し人の物を盗み人を殺してでも生き抜いてみせます引用元:風と共に去りぬ/配給会社:ロウズ
彼女が愛のない結婚繰り返すのは、自分や家族を守るためだったのです。
守るものがあるスカーレットは誰よりも強く生きていかなければならなかったのでしょう。
女性の真の強さを描いた名作
スカーレット・オハラは自分の心を素直に表に出して生きた女性です。
戦争という過酷な状況下でも自分を失わず、自分の足で立って常に前進しています。
愛に不器用でなかなか幸せをつかむことは出来ませんが、女性が戦争という不安定な世界を「生き抜く」とは何かを痛烈に感じさせる映画です。