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1940年公開の『レベッカ』はヒッチコックの代表作といわるひとつです。
有名プロデューサーであるセルズにックとタッグを組んだ作品としても有名ではないでしょうか。
レベッカという存在を取り巻く愛憎物語ですが、劇中でダンヴァース夫人が本当に守りたかったものは一体何だったのでしょう。
衝撃的なラストをむかえるレベッカの複雑な愛の形を徹底考察していきましょう。
ダンヴァース夫人が本当に守りたかったもの
レベッカを崇拝しているダンヴァース夫人は、一体何を守りたかったのでしょう。
レベッカが生きた空間
ダンヴァース夫人は「わたし」がド・ウィンター 夫人として屋敷に来た時から、彼女を嫌っています。
ド・ウィンター 夫人となった「わたし」があか抜けない庶民だったからという理由ではありません。
おそらくダンヴァース夫人は、どんなに美しい貴族令嬢が来ても同じ態度だったはずです。
それほどレベッカを崇拝していたのです。
レベッカが生きた空間は誰の手にも渡したくなかったのでしょう。
それを物語るかのように、豪奢なレベッカの部屋は当時のまま残されています。
気配を感じるでしょう
廊下を歩いていると時々後ろで聞こえるの
奥様の足音が
引用:レベッカ/配給会社:ユナイテッド・アーティスツ
ダンヴァース夫人の上記のセリフは、彼女がレベッカの魂はまだマンダレーに存在していると信じている証です。
理想のレベッカ像
レベッカは浮気を繰り返し、男にだらしのない女性でした。
ダンヴァース夫人もそのことは知っています。
しかし、彼女はド・ウィンター 夫人にレベッカの部屋を案内したときに、レベッカとマキシムが愛しあっていたことを強調していました。
ド・ウィンター 夫人を追い出すための口実とも取れますが、そればかりではありません。
彼女は死んだレベッカを崇拝するあまり美化していたのでしょう。
レベッカとマキシムが不仲だったことを心にしまい込み、理想のレベッカ像を生み出していたのかもしれません。
ダンヴァース夫人とレベッカは同性愛的関係?
ダンヴァース夫人の描かれ方は原作である小説とだいぶ違うようです。
映画ではヒッチコック独特の同性愛的要素が盛り込まれていました。
劇中、レベッカの生前の衣装を愛おし気に見せるダンヴァース夫人の姿が描かれています。
少々異様な雰囲気と同性愛的な愛情をかもしだしています。
この演出がラストシーンに生きてくるのはいうまでもありません。