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1986年公開の【恋する女たち】は、当時トップアイドルとして活躍していた斉藤由貴を主演とした、女子高生の恋愛と友情についての物語です。
金沢を舞台にしたこの作品は、第11回日本アカデミー賞でも三部門で受賞し、文化庁優秀映画賞も受賞していて話題となりました。
現代とは全く異なる状況での、少女達の淡く儚く、そして美しい青春時代が今見ても心揺さぶる作品となっています。
3人の女子高生の個性あふれる性格とは
吉岡多佳子
頑固だがマイペースな性格の多佳子は、理屈っぽい考え方で自分の恋の感情も自分で気付かない様に抑えて過ごしていました。
他の人に対してははっきりとした物言いで、神崎が自分を見つめていたときも周囲に人がいようとストレートに自分の思っていることを伝えています。
自分の恋心に気付いた時も少しずつ、その気持ちを表に出すようになっていきます。
それでも仲の良い友人に明かすことはなく、汀子の恋人だったひろしや自分を思っていてくれた神埼、留年した絹子を頼っています。
自分の知らなかった感情に振り回されながらも、初々しい青春時代を謳歌していました。
江波緑子
嫌なことがあれば、その度に自分のお葬式をして白い十字架を立てる癖があります。
その時の感情を葬ることで次に進めるように、喪服で友人二人も巻き込んでの行事でした。
自分の気持ちに正直で、見た目のかわいさも相まって、ディスコに行けば周囲にチヤホヤされていたり、さまざまな恋愛をしています。
しかし、自分のことを取り合った男性たちが決闘をしていたことで、緑子の心に変化が生じます。
当時の緑子の恋人は決闘に敗れ、波打ち際を歩きながら、恋だけはお葬式をしようが簡単に忘れられるものではないのだと感じています。
志摩汀子
どこか大人びていて、野性味のあるかっこいい性格をしている汀子は、年上の元作詞家のひろしと付き合っていました。
女子高生にも関わらず、三人のなかでは唯一の喫煙者でもあり、俯瞰して物事を見つめることができています。
しかし、彼女も結局は周りと同じ女子高生なので、ひろしが金沢を離れ東京に行くにあたって別れ話を持ち出されると取り乱します。
失恋しても、お酒を飲んだくれて酔っ払う姿が、他の二人とは異なり、精神年齢の高さが垣間見えます。
青春時代だからこそできる恋愛
恋路に走る友達に置いていかれるのが怖い
いつも授業をサボっては絵を描いて留年してしまった絹子は、独特な雰囲気をまとっており、芸術肌なこともあってかいつもおちゃらけています。
しかし、時折確信をつく発言をしては、多佳子の持つ自分の気持ちに気付かせて、多佳子のことをいつも応援してくれています。
多佳子が、「恋」について軽々しく口にしたくないと躍起になっている姿をみて、絹子は恋から逃げているだけだと気付きます。