劇中で南北戦争の助けの為に象を送る話が出てきます。
文明の差を大きく感じさせる要素ですが、これも史実とは大きく違います。
史実では、象の繁殖援助のためにアメリカへ象を送るという意思だったようです。
タプティムの話は嘘
劇中でタプティムはルン・ターと恋仲で、王のハーレムに怒りをぶつけるアンナの姿が描かれていますが、これも史実とは異なります。
実際のタプティムはラーマ5世の妻なのです。
また王の野蛮な部分も描かれる場面となっていますが、実際のラーマ4世は穏やかで聡明な人物として知られています。
アンナ自身がフェミニストであったといわれており、王宮のハーレムに対して強い反発を抱えていたようです。
アンナは虚言癖?批判する声多数
原作者ともいうべきアンナ・ レオノーウェンスに対して批判的な声が多く挙がっています。
アンナはウェールズ(イギリス)出身ではない
アンナは自叙伝の中でウェールズで生まれて父はイギリス軍の将校であると語っています。
しかし実際のアンナは、イギリス領であるインドで生まれたアングロ・インディアンであり、父親も一般人でした。
彼女はこの事実を生涯隠し通したのです。
おそらくシャム王国に対しての売り込みの為に出生を偽ったのでしょう。
アンナはシャムを見下していた
実際のアンナは高給をシャムに要請し、却下されておりその折にシャム王を野蛮であると非難しています。
タプティムの物語が虚偽であるように、自叙伝に記された文にはかなりの虚偽が含まれていると指摘されています。
実際にラーマ9世がアメリカで「王様と私」を観た際に90%誇張だといい残しています。
世界中に批判の声がある
「王様と私」に関しては賛否両論がはっきりと分かれています。
名作と絶賛する声の裏にある批判の声を集めてみました。
- 優れた英国人がタイを導くという詐欺的な話
- タイを野蛮な国と見下している
- イギリス人の傲慢さがあふれている
- 無知な王を馬鹿にしながら可愛いと表現している
当時の世界状況を考えると西欧が強い力を持っており、自分達を優れた民俗と思う傾向があったのです。
タイ上映禁止の理由
「王様と私」がタイ国内で上映禁止となっています。DVDの持ち込みも厳禁です。
これ程タイという国家が「王様と私」を非難する理由はどこにあるのでしょう。
タイ国内での王家という存在
タイという国は国民の95%が仏教徒であり、国王は仏教寺院のトップに位置付けられています。
国民は国王を慕い、畏敬の念を強く抱いています。
またタイには王室を批判することは「不敬罪」になるという刑法も存在しているのです。
タイの王室を侮辱している
タイは「王様と私」に対してタイの王室を侮辱しているという意見を持っています。
王室がなしえてきた偉業を、アンナがもたらしたものだと虚偽の物語をでっちあげている点も「不敬罪」だとしています。
ラストシーンでラーマ5世が、アンナに感化されているシーンが大きな批判を呼んでいるのも納得ですね。
誇張や嘘が多い
アンナは自分を誇張しており、虚偽の記述も多い為に原作自体が「不敬罪」であるともいわれています。
また王家の歴史に留まらず、歴史的な習慣も真実味にかけるとされています。
事実、史実を基にした映画と売り出していますが、その内容は虚偽の部分が多く含まれているようです。
制作の時点でフィクションであるとしていれば、もしかしたら対応が違っていたのかもしれません。