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高野苺原作の漫画【orange】は、一言に恋愛漫画とまとめることができません。
10年という時間差から翔を守りたいという内容の手紙が自分達から届くのです。
翔の決断の思いをとどまらせ、未来を変えていく高校生の姿が感動へと導きます。
当時、翔が抱えていた負担をどのようにして軽くしていき、翔の気持ちを変える事ができたのかをご紹介していきます。
10年後に知る翔の抱えていた悩みを受け止める
我慢ばかりする菜穂と翔の性格
菜穂は自分の感情を表に出すことが苦手です。
みんなでパンを食べている時も、足にケガをした時もいつも表に出さないようにしていました。
自分ひとりが我慢をすれば、周囲に迷惑をかけることがないのだと感じているのです。
同じように翔も、自分の感情を出すことを避けていました。
菜穂と違い、翔は複雑な家庭の事情を抱えていましたので、話しにくい内容であったことも原因でしょう。
翔の場合、人に話すことをせず、自分の中に抱えてしまっていたために、心も病んでしまっていました。
菜穂は性格のせいで、翔は事情が複雑なせいと原因は違いますが、それぞれが我慢して過ごしているのです。
そして、その我慢にお互い気付いていき、声を掛け合っていたことで少しずつ心が軽くなっていきます。
翔を救う為に、未来を変えていく
10年後の未来から自分へ届いた手紙には、翔の死についての記述がありました。
そして、翔を救うために当時できなかったことを実行してほしいということが多く書いてあったのです。
菜穂が行動しないことで、友達が失敗して傷つく姿を見たりしたことも菜穂の後悔となっていました。
今までの菜穂なら、しなかったり断ったりしているようなことも頑張って実行していくようになります。
そのことが、菜穂の自信に繋がっていき、翔に対しても向き合えるようになっていきました。
未来に生きる菜穂にとっての一番の後悔が翔を守ることができなかったということでした。
しかし、現在一緒にいる翔を守り抜くために、行動して、未来を少しずつ変えていったのです。
球技大会の日、翔に恋した菜穂
始業式から2週間、翔は学校に来ず、久しぶりに顔を見せたのは球技大会の日でした。
菜穂は体育靴のサイズが小さく、靴擦れをしている中で、ソフトボールの代打に立ちます。
普段なら断っていたことも、手紙に書いてあったことで変わりたいという気持ちが芽生え、引き受けました。
結果、ボールを打つことができましたが、足の傷はさらに痛むこととなってしまったのです。
そのことに翔だけが気付いてくれ、手当てをしてくれます。我慢ばかりする菜穂に、見てると告げます。
ここで菜穂は恋に落ちてしまいました。
自分の性格を分かって、我慢してくれていることも見て、気付いてくれる翔の優しさを知ってしまったのです。
授業でのタイムパラドックスの話
現在からどんどん枝分かれした世界
とある日の物理の授業の時に、先生からタイムパラドックスの話を聞きました。
自分が今いる世界とは異なる、別の世界にも自分がいて友達がいて生活があります。