手紙を送ってきた未来には10年進んだ世界があり、現在の自分たちと同じように高校生活を経ているのです。
何も関わりがなければ、全く同じ未来へと歩んでいたのかもしれません。
しかし、手紙が来たことで、菜穂達は未来を変える為に尽力していき、実際に違う未来を歩んでいました。
10年後の自分が歩んだものと全く同じ世界もあれば、翔のお母さんが死なない世界だってあるのです。
今いるこの世界で、自分がすべきことを改めて考え直す授業となったのでした。
10年後に思い出すタイムパラドックス
10年後の翔の誕生日に、5人は翔の家を訪れます。
あの頃の翔がどんな風に悩んでいたのか、何を思っていたのか、そして自殺であったことも聞かされます。
ずっと避けてきた翔と向き合うことで、自分達ができることはないかを考えました。
届くかは分からない過去の自分に手紙を出し、翔を助けるように仕向けます。
菜穂は消極的な性格なので、翔以外の部分でも後悔してきたことがたくさんありました。
多くの後悔を無くしていくことで、自信をつけさせ、翔に対しても様々な行動をとれるように成長していったのです。
闇を抱えつつも着実に増えていく恋心
文化祭・後夜祭での打ち上げ花火
菜穂から翔を誘い、後夜祭での花火を二人っきりで見ることとなりました。
菜穂は翔と一時期付き合っていた上田先輩に嫌がらせで片付けを命じられ、遅れて花火後半に待ち合わせ場所に向かいました。
翔は楽しみにして、プールに行きましたが、菜穂が現れず、さみしそうに花火を一人で見ていました。
しばらく待っても、菜穂が来なかったので、帰ろうとした時に菜穂が到着しました。
嬉しさのあまり、菜穂の手を握って走り、そのまま手を繋いだまま花火観賞をします。
辛いことばかり考えてしまう日々で翔はこの日、菜穂と一緒に花火を見れたことを幸せに思います。
菜穂、一緒に花火見れてよかった。
今日は俺、一生忘れない。今日は幸せな日。
引用:orange/配給会社:東宝
こうやって、幸せな思い出も徐々につくっていったのです。
体育祭でみんなから翔へ繋ぐリレー
体育祭の日のことが手紙にも書かれていたのです。
リレーのアンカーを走る翔が、こけてしまい、責任を感じて落ち込んでしまうことが記されていました。
何とか翔をアンカーにしないようにと企てる菜穂と須和でしたが、手紙の当時とは違うことが起きている現実に目を向けます。
その頃は翔は負けてしまうけれど、今はどうなるか分かりません。
それならば、翔をより楽しませ、良い思い出を作る為に、みんなでリレーをすることになりました。
バトンを渡すごとに翔への伝言を繋いでいきます。
10年後も一緒にいられるように、全員の想いの込められたバトンが翔まで届きました。
友情の力はすごいもので、こけてしまっても、すぐに立ち上がり優勝することができました。
親のいない翔は、体育祭に親が来ないことを寂しく思い、落ち込んでいましたが、体育祭を良い思い出にすることができたのです。
菜穂や須和を筆頭に仲間たちがいつもそばで、楽しませてくれるので少しずつ心を開いていくようになっていきます。
なぜ翔はマットから手を離したのか
翔が体育祭の日に元気がない理由を、手紙から知っていた菜穂は翔を気にかけます。