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1985年制作の【カラー・パープル】は、 スティーヴン・スピルバーグが監督をしていることでも話題となりました。
第58回アカデミー賞で、作品賞を含む10部門で候補となりました。
人種差別に性別の差別を受けるウーピー・ゴールドバーグは、この作品がデビュー作となっており、見事に強かな女性を演じています。
差別が当たり前の時代に、強く生きる黒人女性の強さ根源を見ていきましょう。
肌の色や性別の差で繰り広げられる差別
黒人男性が黒人女性を差別する
1900~1930年代にまだ黒人差別も強く行われていた時代、女性蔑視の傾向も大きくありました。
白人から差別されている黒人達は、同じ肌の色でも黒人女性をまた、差別していた時代でもあったのです。
セリーは若干14歳にして、自分の父親の子どもを2人も生んでいました。子どもは生まれた瞬間にセリーから引きはがされ、売られていきました。
その後も妹のネティと比べて、顔も可愛くなく、愛想もそこそこにどんくさいセリーは父親からも雑に扱われています。
ミスターの元に嫁いでも、罵倒や暴力は当たり前で、女性だからというだけの理由で辛い思いを経験していたのです。
ミスターは力で女性をねじ伏せ、セリーを女中のように扱うことにステータスさえ感じていました。
白人からの黒人差別は当たり前
白人もまた黒人を蔑視していましたが、映画の中の白人は主に市長夫人の姿として描かれていました。
市長夫人は最初、黒人の子どもをかわいいと抱きしめたりキスをしたりしています。
これは、黒人に対しても自分はこんなにも愛を示すことができるというパフォーマンスでした。
彼女にとっては黒人などどうでもよく、その行為を行っている自分の姿が大切だったのです。
日々の中で、出てくる白人は黒人のことを空気のように扱っていました。あえて関わることもなく、白人にとっては「無」でした。
しかし、黒人側が白人に対して何か主張をするならば、集団で痛めつけました。
同じ人間に対する態度ではなく、白人にとっての黒人は虫のような扱いになっていたのかもしれません。
差別をすることは当たり前で、自分達が痛めつけている相手は、そうなって当然だという考えだったのでしょう。
ソフィアの強気な性格と性格が災いした不幸
ソフィアの性格とは?
ソフィアは気が強く、付き合っていたハーポとの子どもを妊娠したことを機に結婚します。
結婚の挨拶の時点で、ミスターが発する嫌味な言葉にも全て言い返すほどの気の強さを見せていました。
結婚してからはハーポが完全に尻に敷かれ、反発して殴れば倍にして殴り返す日々を送っていたのです。
アメリカにおける、白人による黒人差別や、男尊女卑にも屈さずに戦っていました。
ソフィアの性格が招いた不幸とその後
ソフィアがハーポと別れてから再婚したソフィアは、町中で白人達と揉めてしまいました。
市長夫人が黒人の子どもが可愛いと、ソフィアの子ども達を自身の屋敷で働くように勧めます。
汚い言葉でその誘いをなじるように断ったソフィアは市長を殴り飛ばしてしまいました。
それを見た白人達は激昂し、その場でソフィアは袋叩きにあいます。
白人警官に助けを求めたソフィアでしたが、警察の人間であろうと黒人は差別したのです。