強く非難され、一度は歯向かうもののそれも一瞬で叱りつけるのです。
医者ではなく、役者になりたかったニールは舞台に出る事も反対されました。
そのことを泣きながらキーティングに相談していたのですから、かなり信頼していたことが分かります。
信頼していましたが、父親の許しをもらわないといけないという壁が高すぎたのかもしれません。
舞台に出る事の許可をもらったのだと嬉しそうに話していましたが、嘘だったのでしょう。
ニールにとっては父親に逆らうこと=死を意味していたのかもしれません。
それほどまでに圧倒的な存在で、父親の言うことは絶対だったのです。
死ぬときに悔いのないように生きた姿
結果、死を選んだニールでしたが、死ぬときに悔いのないように生きたのかもしれません。そう教えたのはもちろんキーティングでした。
主役の舞台で大成功を収め、スタンディングオベーションまで起こりました。
この経験によってより一層、ニールの気持ちは役者へと向いたことでしょう。
自分の姿を見て、父も認めてくれるに違いないと思ったのです。
友人との関係が深まり、信頼できる先生と出会えたことはニールにとってかけがえのない出来事だったでしょう。
みんなにサヨナラも言えずに、翌日には転校する手続きがされている状況でした。
みんなとの楽しい日々から一転した環境を受け入れることができなかったのでしょう。
せっかくやりたいことを見つけ、その道の第一歩を進んだところで地獄に叩き落されたのです。
親の言いなりで一生を終えるならば、舞台で大成功した最高の日のうちに死んでしまいたかったのかもしれません。
学校側の圧力と生徒たちからのメッセージ
ニールが自殺したことは、父親が原因だということは死せる詩人の会のメンバーには一目瞭然でした。
しかし、彼の父親も学校側も、名誉を守るためにキーティングを犯人に仕立て上げたのです。
生徒達はそのことを受け入れ、サインしなければ退学だと脅され言い返すことさえ許されませんでした。
キーティングが学校を去る時に、トッドをはじめ、数人の生徒が机の上に立ちました。
自分達はキーティングを尊敬しており、様々なことを学んだというメッセージだったのです。
彼らは心の底から感謝し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだったのでしょう。
校長先生の前で、退学になってしまう可能性を持ちながらも、キーティングに感謝を伝えたかったのです。