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『人狼ゲーム』は同名の小説をもとに2013年映画化されました。
「人狼」は2001年にアメリカでつくられた推理ゲームです。
プレイヤー同士の緊張感のある駆け引きが話題となり、日本でも非常に人気となりました。
そんな「人狼」をもとに作られた映画『人狼ゲーム』。
この記事では愛梨がルールを受け入れなかった理由や、愛梨が真理絵に投票したときの心境などを徹底考察します。
愛梨はなぜルールを受け入れなかったのか
愛梨がルールを受け入れなかった理由として、2つのことを考察することができます。
犯人にできる唯一の抵抗
突然、知らない場所に連れてこられた愛梨を含める高校生10人。
建物から出ることも、犯人が誰なのかもわからない。
なぜという疑問ばかりの状況に加え、常に誰かを殺す、または殺されるかもしれない異常な環境。
愛梨はルールを受け入れず死のうとしたわけではありません。
異常な状況に対する唯一の抵抗として「ルールを受け入れない」ことを愛梨は選んだのです。
これは、犯人の思い通りにはならないという意志の表明。
けれども犯人の力の前では、どうすることもできず、他の登場人物と同様ルールを受け入れます。
誰よりも弱く優しかった愛梨
愛梨の行動は犯人への唯一の抵抗だと解釈できます。
一方で、愛梨がルールを受け入れるのに時間がかかっただけとも考えられるでしょう。
映画の前半では、愛梨は弱さが目立つキャラクターとして描かれており、優しさも持ち合わせていることがわかる描写もあります。
そんな愛梨だからこそ、普通の人間でも適応するのが困難な事態を受け入れるのに時間がかかったのです。
しかし、その弱さと優しさから、作品の中では最も共感しやすいキャラクターである愛梨。
共感しやすいキャラクターが映画にいると、私たち観客はより映画の世界にのめり込めます。
非現実的な物語だからこそ、共感しやすいキャラクターを主人公にしたのかもしれません。
愛梨に訪れた変化とは
「生きること」が何であるかを知った
本作の前半と後半での愛梨の姿は全くの別物です。
愛梨を演じた桜庭ななみの演技により、態度や行動だけでなく、表情からも変化が伝わってきます。
その理由は愛梨が「生きること」が「殺すこと」だと知ったから。
そして愛梨は「生きること」を、つまり「殺すこと」を決めたのです。