そのためにお互いに想いを伝えることに時間がかかったのです。
けれども、二人が「自分の気持ちに正直になってもいい」と気付けたのは、二人が大切にした友人たちのおかげでした。
蓮も仁菜子も周りの幸せを願うばかりで、自分たちの幸せに向き合わない。
そうやって大切にされたからこそ、麻由香や拓海などの友人たちも蓮と仁菜子の幸せを素直に願えたのです。
そして、常に他の人を大切にするという共通点をもつ蓮と仁菜子だからこそ、より惹かれ合ったのでしょう。
二人にとって大きかった、拓海の存在
蓮にとって拓海とは
蓮にとって拓海はかけがえのない親友であると同時に、仁菜子を好きなライバルでもあります。
仁菜子と親密にしていく拓海に、蓮がどう思っていたのかは具体的に描かれてはいません。
けれども中学の時に、自分がきっかけで拓海と真央の関係を壊したことに蓮は罪の意識を持っています。
そのため蓮は拓海に対して、仁菜子が好きだという本音を伝えられませんでした。
しかし「自分の気持ちに正直になってもいい」と気付いてからは、拓海にも仁菜子への好意を正直に伝えています。
仁菜子にとって拓海とは
仁菜子にとって拓海は、自分の本当の気持ちに気付かせてくれた特別な存在です。
蓮と拓海との友情を気にして、蓮に想いを打ち明けられない仁菜子の後押しをしたのが拓海。
仁菜子も拓海の後押しには気づきました。
拓海にとって仁菜子は想いが届くことのない大切な人でした。
そして仁菜子にとっても拓海はかけがえのない存在だったのです。
二人の関係は恋人にはなりえないが、友人と呼ぶには足りない関係なのです。
原作や他の作品にも注目!
映画と原作との相違点
基本的なストーリーの流れは原作とほぼ同じです。
しかし、原作では重要な役割のあるキャラが登場しない、原作と映画でのシチュエーションの違いがあります。
- 蓮の友達で仁菜子と蓮の恋を応援する通称「がっちゃん」と「裕(ゆう)くん」が映画版では登場しない。
- 映画版では、蓮が仁菜子の袖をまくるシーン(「袖クル」)がトイレの手洗い場になっている。
- 映画版には、原作にない花火大会の帰り道のシーンがある。
蓮が仁菜子の袖をまくったシーンは「袖クル」といわれています。
当時女性にとって「壁ドン」と同様に憧れるシチュエーションとして人気を博しました。
『アオハライド』も必見!
『ストロボ・エッジ』の公開前年に、『ストロボ・エッジ』と同じ作者の『アオハライド』も実写化していました。
『アオハライド』の原作は、「全国書店員が選んだおとすすめコミック2012」で3位となりました。
『アオハライド』での主人公たちの関係や距離感と、本作での蓮や仁菜子との関係や距離感は全く異なります。
ぜひ『アオハライド』も観て、『ストロボ・エッジ』とは違う恋愛も楽しんでください。