出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B0088LBX0Y/?tag=cinema-notes-22
スコセッシとディカプリオがガッチリとタッグを組んだ4作目が、この【シャッターアイランド】です。
今までのスコセッシ作品の中でも、1、2を争う屈指の問題作と断言できます。
大まかにいえば、結末は2つの捉え方に解釈が分れます。
連邦保安官のテディは行方不明患者を救い出せるのか、全く別の驚愕の結末が彼を待っているのか…?両方の可能性を追求していきます。
またスコセッシが仕掛けた様々な伏線を読み解く重要なカギ(タバコやコップ、酒など)についても、詳細に解説していきます。
難解な結末を徹底解説!
全体の構造と感じるストーリーの流れは?
本作は大まかに二部に分けることができます。テディが来島し、行方不明患者の捜査をスタートするのですが…。
前半の途中からテディは自身の悪夢に苛まれて、意識が混乱してきます。
現実とテディの妄想が強烈にストーリーに揺さぶりをかけてくるのです。
注目のラスト20分
本作はラスト20分が核心です。重症患者のロボトミー手術が行われていると噂されていた灯台に遂にテディは辿り着きます。
意外にも手薄な警備を突破すると待ち構えていたのは…ジョン・コーリー医師!彼は静かに真相を話し始めます。
1.失踪患者レイチェル(エミリー・モーティマー)は何処へ?
失踪した患者を探すために来島したテディでしたが…実はテディ自身がレイチェルが残した「67人目は誰?」の患者本人だったのです!
2.全ては軍と病院が仕組んだテディの治療プランだった
テディが何度も夢に観た妻と子は、1952年に子供を殺め湖に遺棄した妻ドロレスを自分が射殺したことによるトラウマが原因でした。
それに起因するテディの精神疾患の根治が、今回の来島の隠された目的だったのです。
3.相棒チャックはテディの主治医だった
テディの島での行動を監視する為、チャックは途中まで一緒に行動し、海に身を投げた偽装までしてテディを灯台に誘導していたのです。
4.テディの決断
テディは、ここに来て、ようやく自身の深刻な病状を認識し始めました。まだ現実感が伴わず、猛烈に混乱します。
「モンスターのまま生きるか?善人として死ぬか?」と呟き、彼は他の患者と同様、ロボトミー手術を受けることを決断するのでした…。
受け手の心情により結末が変わる?
難航する不明患者の捜査
基本的にはテディ側が正しいのか、病院がテディを嵌めようとしているのか?という2択でストーリーは進んでいきます。
幾つかの手がかりの断片はあるものの、決定的な何かが欠落していて、患者の行方を突き止める核心に至らないのです。
捜索が思うように進行できないテディの焦りと苛立ちが、慣れない島での捜索と嵐などの悪天候による疲労で増幅されてしまいます。
テディの悪夢に出てくるのは妄想?真実の断片?
妻ドロレスと3人の子
テディの夢に、妻ドロレスと3人の子供が頻繁に現れるようになります。最初のうちはテディが目を覚ませば、話は終わっていましたが…。
しかも何故か彼女たちは、血塗れの姿でした。誰にやられたのかは、わかりません。
終盤には、医師の車で島から出るフェリーに乗り逃げようとするもテディを帰らせまいと、車の側に立って邪魔をします。