描写はされていませんが、上長の死にもテディが関わっていた可能性もあります。
テディは、シラフの時は非常に優秀な連邦保安官でした。そのため軍部と病院が結託し、二重三重のトラップを仕掛けていました。
テディ自身には、自分が患者であるという認識は全くありませんでした。
あくまでも行方不明の患者の捜索を遂行しようとします。その全ての謎は、灯台でジョン医師とチャックによって本人に打ち明けられます。
誰が本当のテディの味方だったのか?
テディは正常か、それとも…
1.カーンズ
取り調べ時に「逃げて」とテディの手帳に書いた患者。病院側の意図を本能的に察知し、とっさに本人に危機感を伝えた。
2.チャック・オール(マーク・ラファロ)
テディの相棒で実は主治医として、テディの様子を病院に報告していた。
3.ジョン・コーリー医師(ベン・キングスレー)
灯台で真実を聞かされ混乱するテディに、亡くなった子供の写真を見せながら真相を打ち明けるなど、真摯に説得を試みていた。
テディの治療プランを監修。
4.ジェレミア・ナーリング医師(マックス・フォン・シドー)
捜査環境に不満を爆発させたテディをたしなめ、終盤、未遂に終わったがテディに鎮静剤を打とうとした。
テディが正常であると仮定すれば、全員病院側に因果を含められた敵であり、彼が患者なら上記の4人は皆味方、ということになります。
小説とサントラの絶妙な効果
デニス・ルヘインの小説
本作はアメリカのミステリー作家デニス・ルヘイン著の長編小説をベースに制作されました。
彼の著作は「ゴーン・ベイビーゴーン(2003)」や「ミスティック・リバー(2001)」など、数本が映画化されています。
ジョン・ケージのサントラ
本作のサントラは2枚組の大作ですが、今回特筆すべきは数曲提供しているジョン・ケージの楽曲です。
これがテディの心境の変化に合わせて書き下ろされたようなサウンドで、絶妙な効果をあげています。
ジョン・ケージ自身は現代音楽の超大御所ですが、今回もスコセッシの鋭い選曲センスが見事に発揮されたといえます。
まとめ
やるせない結末
テディは戦地での経験と、実の子を殺した妻を射殺してしまった為、回復不能な精神的ダメージを負ってしまいました。
その為この島の病院に、実は何度も収監されていたのです。
本人はラストまで認識していませんが、元同僚の患者を殴ったりなど問題行動を繰り返していました。
テディはロボトミー手術を受けるため、表向きは「ある脱走患者を追跡して欲しい」と病院におびき寄せられたのでした。
全ては彼自身が幕を開けたのです。まさに全ての謎が解けない限り、彼はこのシャッターアイランドからは出られないのです!