ヘクターが生前に作った歌なので、彼が意図してこの歌詞を作ったとは思えませんが、最終的に死者の国で再会を果たしています。
僕のことを忘れないで
歌の中で繰り返しRemember me(忘れないで)と伝えています。
例え肉体が死んでしまっても誰かが覚えていてくれたら生き続けることが出来るのです。
この歌は、死者の国から生きている私達への大きなメーセージとなっています。
下記はスペイン語のリメンバー・ミーです。
メキシコが舞台の本作品で実際にミゲルが歌っていたら下記ようなスペイン語で歌っているはずです。
生前の死は本当の死ではない
リメンバー・ミーは死者の世界を生き生きと描いています。骸骨になってはいますが、生前同様に皆は賑やかに暮らしています。
死ぬことが終わりを意味するのではないのです。
リメンバー・ミーの死者の国は明るい
劇中で印象的なのがマリーゴールドの路です。
メキシコの死者の日で実際に使用される花ですが、とても艶やかで華やかさを感じます。
死者が生者の国へ戻ることは、再会を祝うパーティのようなもので、そこに寂しさや陰気な空気は必要ないのです。
死者たちは死者の国で第二の人生を謳歌しているようにもみえます。
オフレンダの写真が生者との繋がり
劇中ではオフレンダに写真があるものだけが、生者の国へ行くことが出来ます。
この飾られた写真こそ「記憶・思い出」を意味しています。写真を飾り、死者思い出すことで死者は存在し続けることが出来るのです。
「死」と「夢の追い方」が隠れたテーマ
リメンバー・ミーには家族愛の他に「死」に対する考えかたや「夢の追い方」を問われる作品でもあります。
本当の死は忘れられること
人は死ぬとどうなるのか……、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
劇中では「死」に対してあまり暗い捉え方はしていません。
むしろ二度目の死(忘れられること)こそが本当の意味での死であると示唆しています。
何の為に夢を追うのか
人それぞれ夢は違います。劇中ではヘクターとデラクルスを対比させることで夢の存在理由を問いています。
何の為に夢を追うのか大切なものを犠牲にしていないか、そして幸せなのかと。
家族愛と死、夢の追い方について考える最高傑作
リメンバー・ミーは家族愛が大きく取り上げられます。
しかし、その影には「夢の追い方」や「本当の死」という深いメッセージが隠れていました。
死者を覚えていれば本当の死は訪れないというのは、生きている人間が生み出した幻なのかも知れません。
しかし愛を忘れずにいれば、存在が消えないのは確かなことではないでしょうか。