自分がおもちゃとして十分に役目を全うし、第二の人生であるセカンドチャンスを掴んだことを表現しています。
新しい世界に踏み出すのは簡単ではないからこそ、彼は複雑な表情を見せていたのではないでしょうか。
「トイ・ストーリー」は存在価値を問う映画
劇中のウッディはボニーのお気に入りではなく、おもちゃとしての価値が激減した存在です。
これまでアンディのおもちゃとして大切にされてきたウッディは、自分の存在価値に悩み苦しみます。
「トイ・ストーリー」のテーマ
シリーズを通してトイ・ストーリーはそれぞれの存在価値が描かれています。
自分をおもちゃであると認めたバズの姿や、おもちゃとして子供と共に生きていくことを決めたウッディ。
そして子供が成長した後のおもちゃの役割……、「トイ・ストーリー4」では、役割を終えたものの存在価値を問いかけています。
捨てられたごみから生まれたフォーキーは、おもちゃとしての存在価値を見つけ出しました。
一方、おもちゃを全うしたウッディは自由に生きることで自分の居場所を見つけたのです。
子供はおもちゃをなくすもの
本作品はおもちゃと同時に子供の存在にもフォーカスを当てています。
前作でアンディはボニーに、ウッディを大切にしてと渡していますが、ボニーはさほど大切にはしていません。
理由はお気に入りではないから。大人の視点ではなんだかひどいな、と感じますがそれが子供なのです。
どうせ子どもは毎日おもちゃをなくすものよ
引用:トイ・ストーリー4/配給会社:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
劇中で上記のようにボー・ピープが語っているように、おもちゃたちが思うより子供は薄情なのです。
それを悪いと表現していないのが「トイ・ストーリー」の素晴らしい点でもあります。
子供はそういうもの、という子供の存在価値を認めています。
ボー・ピープは現代女性の象徴
今回「自由」を象徴していたのがボー・ピープです。
彼女はおもちゃの世界を抜け出し、ワイルドに強く生きています。まさに現代の女性を象徴している姿なのです。
そして愛するボーとの再会は、ウッディの狭い世界観を打ち破っていくのです。
かつて付き合う男性で女性は変わるといわれた時代がありましたが、近年は付き合う女性で男性が変わるのかもしれませんね。
新キャラはおもちゃの存在理由を示す
フォーキーはただのごみじゃない
今回の新キャラクターといえばフォーキーが最初に挙げられます。
元々おもちゃではなくただの先割れスプーンだったフォーキーは、自分をゴミだと主張するこれまでにない存在です。
どうせゴミだから価値がないと思い込むフォーキーは、ボニーの大切なおもちゃという存在価値を見出だしていきます。
現実社会でも「自分は○○だから」と、自分の価値を過小評価している人が多いのではないでしょうか。
フォーキーの存在には、自分を過小評価しないで生きようというメッセージ性も込められているような気がします。
かつてのヒーローデューク・カブーン
英語版ではキアヌ・リーヴスが声を担当したデューク・カブーン。彼の存在は時代を経て、価値が下がっていくヒーロー像を表現しています。
デュークはスタントマンのおもちゃですが、まさに現在のスタントマンの状況を示しています。