CGなどのVFX(視覚効果)が加速する一方で、スタントマンの活躍の場は減少しつつあります。
そんな中、デュークはまだまだ飛べるスタントマンおもちゃの姿を見せてくれるのです。
デュークに出来ることは限られているけれども、自分の出来ることをやり続けるという一途な姿は感慨深いものがあります。
ギャビーの執念が物語るもの
ギャビーはお店の孫に遊んでもらいたい、大切にしてもらいたいという想いが次第に執着心へと変貌していきます。
しかし音声装置をつけても想いが通じることはなく、絶望してしまいます。
この姿は多くの人間に当てはまるもので、想いが通じないほど執着心が強くなり相手にされていないことが自らを醜く変貌させます。
最後にギャビーを拾った女の子は、ギャビーがしゃべったから拾ったのではありません。
自分に必要な存在だったから拾ったのです。
現実社会の人と人との関係にも置き換えることが出来るのではないでしょうか。
フォーキーはウッディとの旅で「役目」に目覚めた
手をつなぎ、夜の道路を歩くウッディとフォーキーの姿は印象深いものです。
この時ウッディはフォーキーにおもちゃとしての存在を教えます。
ボニーにとってフォーキーはいかに大切かを語るウッディは、どこか悲し気な表情をしているのです。
二人での旅によってフォーキーはおもちゃとしての価値に目覚め、同時にウッディは自分の役目が終わったことに自覚を持ちます。
いつか子供たちは理解する
「トイ・ストーリ―4」はこれまでのシリーズとは全く違った作品となっています。
自分の役目を全うしたおもちゃの生き方は、子供が理解するにはなかなか難しいかもしれません。
大人になって味わえる作品
本作品は考察すればするほど味わい深く、奥の深い設定となっています。
所々に哀愁や切なさが詰め込まれ、第二の人生という大きなテーマが流れているのです。
勿論おもちゃが動き活躍するエンターテインメント映画として子供も楽しめる内容です。
しかし、人生を長く歩んできた大人こそ真に味わうことが出来る映画なのではないでしょうか。
長く愛されてきた「トイ・ストーリー」シリーズは、今の子供たちが大人になってからも十分に楽しめる映画です。
役目を終えた後の人生
1996年から長い時を経て、当時の子供達も大人になっています。
だからこそ今「トイ・ストーリー4」が公開されたのです。
自分のやるべきことを全うした後、人はどういう決断を下すのかウッディの姿はその問いかけに答えてくれるはずです。