かぐや姫のように月からの迎えが来た時に悔いのないよう毎日を生きていくことが大切ということを考えさせられます。
高畑駿監督はあるインタビューで「かぐや姫は罪を犯して地上に下ろされるのに期待感で喜々としている。
それは地球に魅力があることを知ったから」と語っています。
魅力のある地球は人間のさまざまな感情や欲望に満ち溢れている罪な世界であるものの、私たち人間はこの罪や穢れも交えてこの世を肯定していくものという考えが高畑駿監督の中にあったようです。
かぐや姫が失ったもの
地球で人間のさまざまな感情や煩悩を目の当たりにしたかぐや姫は月に帰りたいと願ってしまいます。
その瞬間、月での記憶が蘇りますが同時に地球で過ごすことが月からの罰であったことも思い出します。
かぐや姫は月での記憶が蘇った時に地球に憧れてしまった理由も思い出します。
月では感じることができない人間のさまざまな感情に揉まれながら成長することが本当の喜びだと気付きますが、その時には月からの迎えがきており後悔のしようもありません。
月の住人に羽衣を着せられたかぐや姫の地球での記憶は全て消失してしまいます。
地球で過ごしたことで本当の生きる喜びを知ることができたかぐや姫ですが、最後には記憶と共にその喜びや人間の感情さえも失ってしまったのです。
まとめ
ジブリ映画「かぐや姫の物語」について、かぐや姫が犯してしまった罪と罰は何かを徹底考察しました。
かぐや姫の罪と課せられた真の罰を把握してから鑑賞すると違った目線で作品を楽しむことができます。
「かぐや姫の物語」は「罪と罰」がテーマとなっており、それは私たちが避けては通れない「生と死」を描いていると考えられます。
最後には平和であるはずの月の世界に戻っていきます。
しかし、記憶だけでなく人間としての感情や生きる喜びまでも失ってしまったかぐや姫は何故か涙を流しています。
「かぐや姫の物語」は自分の人生を見つめ直すいい機会となる作品の一つといえるのではないでしょうか。