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【リング(ネタバレ)】貞子の呪いを解く方法が意味するものを徹底解説!ラストシーンの闇の深さにあなたは何を思う…?

出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00FIX5342/cinema-notes-22

1998年、日本中に「呪いのビデオ」というものの存在を知らしめた「リング」。

日本ホラー映画の火付け役になったといっても過言ではない映画です。

多くの人がこの映画そのものに「呪われるのではないか」という恐怖と、それでも見てみたいという興味を掻き立てられたことでしょう。

「リング」のヒットののち、恐怖や呪いの連鎖がテーマになった作品が多く作られました。

また、海外でもリメイクされ今や世界中を代表するホラー映画として有名です。

今回はそんな「リング」から貞子の呪いを解く方法が何を意味しているのかを考察してみます。

貞子の呪いを解く方法を考察

ザ・リング リバース(字幕版)貞子は、自分が念じた相手を手も触れることなく殺害できるという驚くべき能力を持った人物です。

しかも後に貞子の白骨化した死体が発見されたことから、映画の冒頭で4人の若者が殺されたのは貞子の死後であったことがわかります。

つまり、貞子の能力は自分の死後も恨みを抱いている相手を呪い殺すことができるという恐るべきものなのです。

かつてSFや怪奇小説・漫画・映画・テレビドラマなどで描かれた超能力には、さまざまなものがありました。

死んでも尚、人々が「呪いのビデオ」を観るように操り、ビデオを観た者を1週間後に確実に殺す、という貞子の能力。

これには誰も対抗することができないのではないかと、ヒロインの玲子でなくても絶望したくなりますね。

そこまでして貞子が呪いをかける意味は一体何なのでしょうか?

考察してみると、呪いを解く方法から導き出される見えないメッセージを読み取ることができました。

そのメッセージは、まさに現代を生きる私たちへの警告とも取れます。最後までぜひご覧ください。

貞子を突き動かしたのはマスコミへの深い恨み

つい見てしまうビデオに呪いをかけたのは策略だった

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貞子の呪いの恐ろしい点は、身近にある毎日使うものによって殺人を実行できることです。

例えば自宅のリビングのテーブルの上にラベルのないビデオテープが置いてあれば、誰でもデッキにかけて中身を確認したくなるもの。

疑念を抱かずについ手を伸ばして見てしまうビデオを使うことこそ、貞子の策略だったのです。

人間の心理を利用した頭脳戦でもあるといえるでしょう。

母親を死に追いやったマスコミへの恨み

貞子の母・志津子は霊能力者でしたが、記者たちからインチキだとののしられ、死に追いやられました。

貞子の恨みの対象は、真の霊能者であった母親をニセモノ呼ばわりしたマスコミであったわけです。

そのため、マスコミの象徴であるテレビとビデオに呪いをかけ、レポーターである玲子にその想いを気づかせようとしたのです。

メディアは面白がるだけ!超能力を持つといわれた者の扱い

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評論家の江川紹子はオカルトブームを醸成したのはテレビ番組をはじめとするメディアの影響が大きかったとしています。

超能力やUFO・古代文明の謎などの不思議な現象は、少なくともテレビなどのメディアでは主に「面白いから」という理由で取り上げられます。

一時的にはブームになりますが、実証できないものを聴衆はインチキと言い始めるのです。

三原山の噴火を予言した志津子はその能力を疑われたまま火口に身を投げ、この世に恨みを持ちながら死んでいきました。

志津子や貞子のような特殊な能力を持つ者は、メディアによって弄ばれ身内からも嫌悪されて結局は不幸な死に至ったことになるのです。

貞子の死体の発見により呪いは解けたのか?

予定調和のような結末にいったんは安堵!

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貞子の呪いからどうやったら逃れられるのか?

高山竜司と玲子は、呪いのビデオのシーンから玲子が井戸で殺されたと推定し伊豆の別荘の床下の井戸までたどり着きます。

見つけて欲しいのは死体だけではなかった

予想通り、貞子の白骨化した遺体を発見し涙を流して安堵する玲子。

ここで流した玲子の涙は「これで死ななくて済んだ」というよりも、やっと貞子を見つけてあげられたという想いからくるものではないでしょうか。

2人は貞子の死体を発見し供養することができれば呪いが解けると信じていたのです。

しかし貞子の呪いは「自分の過去を掘り起こし、死体を見つけてくれた」から解けるという単純なものではありませんでした

ビデオテープに込められた、貞子の恨みの深さ!

呪いが解けないのは他の望みがあったから

リング2

結局高山は今までの犠牲者よりもさらに悲惨な死に方をしてしまいます。

貞子がテレビから出てくるという、本作品の中でも一番の見せ場ですね。

ここで残る疑問は、玲子を貞子の死体に導く役割を果たした高山までなぜ殺されてしまったのかということです。

その理由は、貞子の願いは自分を見つけてもらうことだけではなかったからということになるのではないでしょうか。

つまり、志津子を死にやったものへの復讐は終わっていないのです。

貞子が本当に望むことは、聴衆によって母親が殺されたと知ってもらうことだったと考えられます。

玲子が辿り着いた呪いを解くための方法

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高山の死を知った玲子は、なぜ自分が助かったのかを考え始めます。

そして、自分がしたことで高山がしなかったことを発見するのです。

それは「ビデオの複製を作って他人に渡すこと」でした。

玲子はダビングを行って人に渡し、高山はダビングを行っていなかったのです。

メディアへの究極の復讐

ザ・リング2(吹替版)
「呪いのビデオを観た者は、それをダビングして他者に渡さないと1週間後に死ぬ」というのが事実だとしたら…。

自分の息子を救うためとはいえ、他人が死ぬかもしれないビデオを本気で拡散させようとするのでしょうか。

母親の決意がどこにあるのか、それがわからないままに映画はラストシーンを迎えます。

確かなのは、息子を守るために必死になって行動し、迫りくる恐怖と戦っていること。

ここで重ねずにはいられないのは、志津子のために復讐を誓った貞子の愛玲子が守りたいと思う息子への愛です。

大切な人の為にわが身を捨てでも動くことができる点では、どこか似ている部分があるのではないでしょうか。

まとめ

ビデオの拡散により半永久的な復讐を実現した貞子

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玲子が見つけ出したと思っている「貞子の呪いを解く方法」は、確実なものなのでしょうか?

貞子の呪いを解く方法が本当に「呪いのビデオの複製を作って他人に渡すこと」だとしたら…。

母親や自分の人生を台無しにしたマスメディアに対して、なんと効果的な復讐なのでしょう。

貞子をそこまで突き動かした背景には、代々差別的に扱われた悔しさや悲しみがあったと考えられます。

そして呪い殺すという方法でしか復讐できない貞子には同情の余地すらあるのかもしれません。

現代における社会的制裁の無意識さ

SNSが普及した現在、「いいね!」やフォロワーの数を競ってやまない風潮に対しても、貞子の呪いは警告を発しているようでもあります。

「面白ければOK」という感覚で、たとえば超能力者という社会における異物を弄ぶようなことをすれば多くの人が死ぬことになる。

自由に匿名で発言できる気軽さが人の命を奪うこともあり、自分にとっても命取りになりかねません。

貞子の復讐心の裏にある想いは、「認めて欲しかった」という悲しいものではないでしょうか。

そして呪いを解く方法から考えられるのは、現代における無意識な社会的差別・社会的制裁への警鐘ともいえるのです。

人種や宗教、思想や信仰、そして目に見えない力…。

そういったものすべてを自分の価値観だけで判断するのではなく、まずは認識し、否定しないこと

そんな大切なメッセージが投げかけられているのではないでしょうか。